雑種地の譲渡所得の確定申告
亡くなった父が所有していていた雑種地(公共用道路・固定資産税もなし)を今年50年後に相続人代表で私一人がすべて相続し移転登記を済ませました。まだ3月しかたたないのですが、年内中に売却することになり、その代金については、相続人4人で分配しようと思います。譲渡所得を皆に分配した場合、確定申告する金額は私が受け取った金額のみとなり、それぞれが確定申告するのですか?それとも、皆に分けた分についても私の所得になってしまいますか?税率も39.63%と聞いたので、課税されるのは誰かを教えていただきたいです。
税理士の回答

鈴木洋輔
ご質問ありがとうございます。
相続で取得した土地を売却し、
受取った金額を配分する場合には
注意が必要となります。
相続人代表で私一人がすべて相続し移転登記を済ませました。
相続人4人で分配しようと思います。
譲渡所得を皆に分配した場合、確定申告する金額は私が受け取った金額のみとなり、それぞれが確定申告するのですか?
皆に分けた分についても私の所得になってしまいますか?
ご質問者様を代表としてお一人の名義で
相続登記をしていることから、
譲渡所得税の申告では土地の全体(100%)が
ご質問者様の譲渡所得税の対象となります。
ご質問者様が受取った部分(25%)が
譲渡所得になるわけではありませんのでご注意下さい。
また、他の3人の方は、
所有している土地を売ったわけではないので、
譲渡所得税の申告は必要ありません。
その一方で、遺産分割協議書の内容によっては、
贈与税や相続税がかかる可能性があります。
■ 通常の遺産分割の場合
受取った金額を4人で分配する場合、
他の3人の方には贈与税がかかります。
もし、年間で110万円を超えるようでしたら、
贈与税の納税も発生すると思いますのでご注意下さい。
■ 代償分割で遺産分割する場合
遺産分割協議書に代償分割の旨が
記載されている場合、
分配された金額は相続税の課税財産となります。
相続税の基礎控除を超える場合には、
相続税の納税が発生しますのでご注意下さい。
税率も39.63%と聞いたので、課税されるのは誰かを教えていただきたいです。
譲渡所得税が課税されるのは、
土地の名義人であるご質問者様のみです。
このとき、所有期間が5年以下の場合には、
短期譲渡所得として高い税率(39.63%)が課せられます。
この5年の判定は、
お父様が所有していた期間も含まれます。
もしお父様が所有していた期間も含めて
譲渡した年の1月1日現在の所有期間が5年を
超えるようでしたら、長期譲渡所得として、
約20%の税率となります。
今回は譲渡所得税に加え、相続税や贈与税が
絡むため非常に複雑なお話になるかと思います。
金額が大きい場合はリスクも大きくなりますので、
専門家の方に個別相談されることをオススメします。
ご参考になれば幸いです。

竹中公剛
私一人がすべて相続し移転登記を済ませました。
上記記載から、相談者一人のものです。
譲渡所得を皆に分配した場合
分配金額が、贈与にあたります。
確定申告する金額は私が受け取った金額のみとなり
全く違います。
皆に分けた分についても私の所得になってしまいますか?
その通りです。
税率も39.63%と聞いたので、課税されるのは誰かを教えていただきたいです。
相談者様一人です。

不動産の売却による所得はその不動産の所有者に帰属します。
本件では、質問者様が雑種地の所有権を全て所有されていたということですので、その売却による所得は全て質問者様に帰属します。したがって、質問者様が、その所得の全額について確定申告しその税額を納付することになります。
なお、雑種地の売却収入の分配については、「質問者様が雑種地の売却により得た金銭を他者に贈与する」ことになり、金額によっては分配を受けた人に贈与税が課される場合があります。

補足します。
質問者の登記が、換価分割(売却して代金を分ける遺産分割)のための便宜的なものである場合には、全員が、分割割合で申告することになります。
その場合には、贈与にはなりません。
とても解りやすく説明してくださり、不安が一気になくなりました。遺産分割協議ですべて私が相続したので、全額が私の申告になるということも理解できました。
税率についても、父の所有期間も入れると60年以上になるので長期譲渡所得として課税されることがわかりました。ご回答くださった先生方に感謝いたします。ありがとうございました。
本投稿は、2024年09月12日 13時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。