各金融商品の損益通算について
社会人4年目の会社員です。
給与所得以外に以下の収入があります。
それぞれの収入で得た利益と損失をしっかりと納税するために損益通算の仕組みについて教えていただきたいです。
①国内証券会社の特定口座での株式売却益
A会社 +数百万円 B会社 +数百万円 C会社 -数十万円
②国内証券会社の先物口座での先物商品(原油)売却益
D会社 +数百万円
③国内証券会社のFX口座での米/ドルのFX売却損
E会社 -数十万円
④国内仮想通貨販売所での仮想通貨売却損&売却益
F会社 +数万円 G会社 -数百万円
ーーーーーーーーーーーーーーーー
Q1.
①において同一年内で別会社の特定口座内で利益と損失が出ている場合、これらの特定口座内の損益は通算できるのでしょうか。またその場合では確定申告をする必要があるのでしょうか。同一年内でなければ損益通算はできないでしょうか。
Q2.
④において同一年内で別会社の取引所での仮想通貨売却で利益と損失が出ている場合、これらの損益は通算できるのでしょうか。また通算してトータルがマイナスだった場合、確定申告する必要はないでしょうか。
Q3.
①~④の税金の内訳は以下の認識ですが合っていますでしょうか。
①は株式譲渡益で分離課税
②③は雑所得で分離課税
④は雑所得で総合課税
Q4.
②~④の実現損益が同一年内に発生している場合、これらは全て損益通算できるでしょうか。また通算した結果マイナスであれば確定申告する必要はないでしょうか。
①はそもそも雑所得ではないため他の所得と損益通算できないという認識です。
Q5.
④が雑所得で総合課税という認識があっていた場合、確定申告で給与所得と合算して損益通算することはできるのでしょうか。
税理士の回答

土師弘之
Q1.について
同一特定口座内では自動的に損益通算されていますが、別個の特定口座間では自動的に損益通算は行われず、確定申告によって損益通算する必要があります。証券会社等が異なるのですから当然の手続になります。
同一年内でなければ損益通算になりません。
譲渡損失が残れば確定申告によって翌期に繰り越す手続きが必要です。これを「繰越控除」といいます。
Q2.について
暗号資産(仮想通貨)取引は「雑所得」です。雑所得同士の損益は通算出来ます。ただし、損失は他の所得と損益通算できませんので、確定申告しても意味がありません。
Q3.について
①は株式譲渡益で「申告分離課税」
②③は雑所得で「申告分離課税」(先物取引)
④は雑所得で「総合課税」
Q4.について
②③は「分離課税」ですので、他の所得と損益通算できません。「分離課税」というのは他の所得と損益通算できない仕組みになっています。このため「申告分離課税」で損失が発生している場合には。損失を翌期に繰り越す「繰越控除」という制度がある場合があります。
④については、上記Q2.のとおりです。
Q5.
Q2.のとおりです。
損失が発生した所得が他の所得と損益通算できるのは、「不動産所得」「事業所得」「山林所得」「譲渡所得(総合課税)」の4つのみです。
それぞれの最初の漢字を採って「富士山上(ふじさんじょう)」と覚えます。
ご回答いただきありがとうございます。
ご丁寧な回答で大変理解しやすく、助かりました。
Q2の回答からすると、②~④はすべて雑所得になるので②~④の損益を合算して確定申告できるという理解であっていますでしょうか。
確定申告の仕方があまり把握できておらず恐縮ですが、確定申告の書き方でいうとそもそも②~④のトータルがマイナスであれば何も記載する必要がないのでしょうか?

土師弘之
②③は「雑所得」ですが「申告分離課税」ですので、同じ「雑所得」でも「総合課税」である④とは損益通算できません。④は「総合課税」である他の「雑所得」とは損益通算できます。
ご説明いただきありがとうございます。
内容全て理解できました。
本投稿は、2024年10月24日 17時33分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。