築古不動産を取得した場合の減価償却費について
令和6年確定申告をするにあたり減価償却費の求め方が分からず相談させて頂きます。今回が初めての確定申告です。
取得額14,000,000円(土地及び建物内訳不明)
新築年 昭和63年4月
構造 鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺3階建
取得時期 令和5年11月
よろしくお願い致します。
税理士の回答
石割由紀人
築古不動産の減価償却費は、以下の手順で計算します。まず、土地と建物の取得価額を固定資産税評価額などで按分し、建物の取得価額を算出します。次に、建物の構造に応じた法定耐用年数を確認し、中古資産の場合は経過年数に応じて耐用年数を再計算します。ご質問の鉄骨造亜鉛メッキ鋼板葺の場合、法定耐用年数は34年ですが、築年数から中古資産の耐用年数を計算すると7年となります。減価償却費は、建物の取得価額を耐用年数で割って算出します。取得初年度は月割計算が必要です。ご質問のケースでは、仮に建物の取得価額が800万円の場合、年間の減価償却費は約114万円、取得初年度(令和5年)は2ヶ月分で約19万円となります。令和6年分の確定申告では、年間の減価償却費約114万円を計上します。減価償却費は、必ず計上するようにしましょう。
分かりやすくご回答して頂きありがとうございます。土地と建物の取得価額を固定資産税評価額などで按分とありますが、直近の固定資産税評価額で按分したら良いのでしょうか。
石割由紀人
はい、ご認識のとおり、原則として、不動産を取得した時点における直近の固定資産税評価額を基に按分するのが適切です。
具体的には、以下の手順で按分を行います。
1. 取得時の固定資産税評価額を確認する
不動産を取得した年の固定資産税納税通知書に記載されている固定資産税評価額を確認します。
もし、取得した年の納税通知書がない場合は、市区町村役場の固定資産税課で評価証明書を取得することで確認できます。
2. 土地と建物の評価額を合計する
固定資産税評価額には、土地の評価額と建物の評価額がそれぞれ記載されています。
これらの評価額を合計します。
3. 建物の取得価額を按分計算する
建物の取得価額は、以下の計算式で求めます。
建物の取得価額 = 不動産の取得価額 × (建物の評価額 / (土地の評価額 + 建物の評価額))
ご質問のケースでは、不動産の取得価額は14,000,000円ですので、この金額に上記計算式で算出した割合を掛けて、建物の取得価額を算出します。
注意点
取得時の評価額を使用する
固定資産税評価額は毎年見直されるため、必ず不動産を取得した時点の評価額を使用してください。
*例えば、令和5年11月に不動産を取得した場合、令和5年度の固定資産税評価額を使用します。
評価額が不明な場合
もし、取得時の固定資産税評価額がどうしても不明な場合は、不動産鑑定士に依頼して評価額を算出する方法もあります。
按分計算の根拠を保管する
税務調査などで按分計算の根拠を求められることがありますので、固定資産税評価額のわかる書類や計算過程を保管しておきましょう。
本投稿は、2025年01月18日 00時23分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







