相続税の計算手順はたった4つ!忘れがちな注意点もわかりやすく説明します - 節税や実務に役立つ専門家が監修するハウツー - 税理士ドットコム

税理士の無料紹介サービス24時間受付

05075863695

  1. 税理士ドットコム
  2. 相続税
  3. 相続税のハウツー
  4. 相続税の計算手順はたった4つ!忘れがちな注意点もわかりやすく説明します

相続税の計算手順はたった4つ!忘れがちな注意点もわかりやすく説明します

相続税が課税されるかされないか、それは計算結果をもとに判断することになります。

つまり、計算結果によっては、税務署へ相続税の申告書を提出し納税を行いますが、相続税自体がそもそも課税されないといった場合には、税務署へ申告することもなく相続税も納める必要なく全てが完結してしまう可能性があります。

これだけでも、いかに計算が重要であるかがお分かりいただけるかと思います。そこでこの申告の基礎となる相続税の計算手順について解説していきます。

目次

最も重要!財産の把握

相続税という限り、必要になるのが財産の把握です。財産と一言で表現してもプラスの財産とマイナスの財産があります。プラスの財産といえば現預金の他に株などの有価証券や土地や建物などの不動産があげられます。また、生命保険金も該当します。

また、死亡保険金は非課税として一般的に計算されますが、まれに非課税部分を超えていることがありますので、必ず支払調書は残しておく必要があります。おそらくこれらの財産であれば多くの人が所有しているのではないでしょうか。あとは車やゴルフ会員権なども該当します。

次にマイナスの財産ですが、借入金の存在や本来は支払わなければいけないのに支払いが滞っているものがあげられます。その他にも葬儀費用がここには該当しますので、最後のお葬式にかかった費用は必ずわかるようにしておきましょう。このように、とにかく故人にまつわる財産は、プラスであれマイナスであれ詳細に把握しておく必要があります

課税価格の算定

さて財産のピックアップができたところで、課税価格の算定を行います。プラスの財産の合計からマイナスの財産を差し引きし、残った金額が課税価格ということになります。課税価格の計算はこのようにいたって単純なのです。手順そのものに難しい点はないということが言えます。難しいのは相続税評価額を求めなければいけない財産が発生している場合ということができます。

例えば、配偶者とその子供が2人いるという場合に、現預金が1000万円、株式は所有しておらず、土地と建物はそれぞれ900万円と600万円、生命保険金を2000万円受け取ったとしたら、プラスの財産はこれらの合計で4500万円となります。

次に借入金が100万円、葬儀費用が200万円かかったとすれば合計300万円がマイナスの財産となり、死亡保険金は「500万円×3(法定相続人の数)」だけ非課税扱いとなるので、正味の遺産額はこれらを差し引きした最終金額である2700万円という計算になります。

ここから基礎控除の額の差し引きを行います。このケースでは、「3000万円+600万円×3=4800万円」が基礎控除額となり、先に求めた正味の財産の額と差し引きし残った額が課税価格となります。

この例の場合は、基礎控除額の方が課税価格を上回っているので納税する必要もなければ、申告する必要もないことがわかります。しかし、ここで基礎控除額よりも正味の財産が上回っていれば、次の計算へと進みます。

財産をもとに各人の課税額を算定

財産の把握ができ、基礎控除額も差し引いたところで実際に誰にいくらの税がかかっているかの計算をします。この時に必要になるのは遺産分割協議書です。この遺産分割協議書に則って財産を各人へ振り分け各々の税金の負担額を求めます。ただし申告を行う際には法定相続人が複数名存在する場合「連名」で申告を行います。

例えば法定相続人が1人でも5人でも10人でも、実際に申告する申告書は1セットのみで人数分の申告書を提出する訳では無いのです。税務署は計算の基礎に基づき、法定相続人が何人いようとも納める税金の総額に誤りがなければ問題はないのです。では具体的に誰にどの程度の税額がかかってくるのかを計算してみましょう。

先ほどの例で現預金を4000万円として残りは全て同じ金額とします。配偶者は全ての財産の半分(1/2)を受け継ぎ、残りは子供2人で平等に1/4ずつ分けることにします。

基礎控除は先ほど計算した金額と同じ4800万円、課税価格は現預金が3000万円増加しているので5700万円となり、900万円が課税遺産総額となります。

この場合、相続税の総額は90万円となり、それを取得の割合に応じて按分するので、配偶者は、90万円×1/2=45万円、子2人はそれぞれ90万円×1/4で22万5千円となります。

しかし、実際に納める金額は子2人の合計45万円だけとなります。その理由は、配偶者は法定相続分または1億6千万円までは課税されないためです。

ここからもわかるように、配偶者をうまく活用することで多額に課税される相続税を一時的に回避することができます。しかしこの場合、配偶者が亡くなった時の相続、つまり「二次相続」と言われる相続の際に、課税額が多額に出る可能性があります

その時に、「あの時、子供にもう少し渡しておけば」という後悔をしないよう、今発生している一次相続だけではなく二次相続も視野に入れて遺産分割をしておくことが理想的であることは言うまでもありません。

相続税をより引き下げる控除の適用

相続税をより引き下げる方法があります。これは生前贈与などの方法だけではありません。先の例にもあげたように相続の申告であるからこそ適用できる税額控除があります。その控除の種類は大きく分けて7つです。

  1. 配偶者の税額軽減
  2. 未成年者控除
  3. 障害者控除
  4. 贈与税額控除
  5. 外国税額控除
  6. 相次相続控除
  7. 相続時精算課税制度における贈与税額の控除

これら7つの全てが、相続税を納める人に適用できるかと言われるとそうではありませんが、中には適用できるものがあるかもしれませんので、相続が発生したら一度税理士に相談するのが良いでしょう。とはいえ、軽くその内容について触れておきます。

  1. 配偶者の税額軽減は、亡くなった被相続人の配偶者が受けられる控除です。法定相続分、もしくは1億6千万円分のいずれか多い方まで課税されません。
  2. 未成年者控除は、未成年者が相続人の中にいる場合、20歳になるまでの年数×10万円を控除することができます。子供が高校生であったりする場合であれば、これを適用することが可能です。
  3. 障害者控除は、法定相続人の中に障害者がいた場合に適用できる控除です。満85歳になるまでの年数×10万円(または20万円)を控除することが可能です。
  4. 贈与税額控除は、相続開始3年以内に贈与している財産が相続税の対象にはなりますが、贈与税を納めている場合は、その税額を相続税から差し引きすることが可能となる控除です。
  5. 外国で相続税を納めている場合は、その分を日本の相続税から差し引くことができます。
  6. 相次相続控除は、10年以内に続けて相続が発生した場合、2回目以降の相続を対象に経過1年につき10%の金額を控除できるというものです。
  7. 相続時精算課税制度における贈与税額の控除は、相続までに受けた贈与を一旦相続財産として計算に考慮しますが、すでに支払っている相続時精算課税にかかる贈与税を納めている場合には、その分を相続税額から控除することが可能になります。

4と7については、先に納めた贈与税を相続税から控除するという意味では、よく似ているということができます。逆を言えば、贈与をしているため相続財産とは関係ないと判断してしまいがちですが、一旦相続財産として加算されるため贈与した財産も忘れずにカウントする必要があります。

控除ではないが適用すれば有利に働く「特例」

最近、相続といえばよく話題に上がるものに「相続時精算課税」とともに「小規模宅地の特例」があります。前者は税額控除ですが後者は特例であり、この権利を主張するために「申告」が必ず伴います。ただし、税額を抑えることができるため非常に有利に働くことがあります。

小規模宅地の特例は被相続人が住んでいた土地や事業用の土地について、一定の割合だけ相続税評価額を減額してあげましょうという特例です。これを適用することで多くの居住用宅地、つまり多くの場合は自宅になりますがその相続税評価額を減額することができ、結果的に相続税を抑えることができるというものです。

相続税評価額を抑えれば、相続税を計算する際のプラスの財産の金額を抑えることができるので、結果的に相続税を抑えることができるという流れになります。

特例と控除、申告は必要?

税額が結果的にゼロになったという場合でも、どの特例を適用したのか、どの控除を適用したのかによっては申告を必要とすることがあります。配偶者控除と小規模宅地の特例は結果的に税額がゼロになったとしても申告が必要となっています。基本的には、相続税を計算して基礎控除の範囲内でおさまれば申告は必要とはなりません。

しかし、配偶者控除は控除の税額が非常に大きいこと、小規模宅地の特例はどの宅地に適用したのかを確認する必要があることから申告書の提出は必須です。「相続税がゼロなら申告がいらない」という考え方は、結果的に大きな損害を受けることになりかねません。そのような失敗を犯さないためにも、先に挙げた控除と特例には申告がもれなくついてくるということを覚えておく必要があります。

また余談にはなりますが、専門家に相続の申告を依頼する際にかつて贈与を行なったことがある場合や、実は養子縁組をしていた人がいたが相続発生時にはその者はいなかった、でもその者は贈与を受けている、などの複雑な事情がある場合は、しっかりと把握し伝える必要があります。

「贈与は相続より先に発生しているから関係ない」という勝手な判断は危険です。ざっくりとでも覚えていれば、専門家に相談することで中の詳細を把握することは可能ですから、特殊な事情が発生している場合は特にその内容を把握してくことをおすすめします。

おわりに

このように、相続税の計算方法の手順自体は非常に簡単なもので難しく考えなければいけないものはありません。法定相続人を確認し、財産を把握して基礎控除額を差し引きします。あとはそれをそれぞれの相続財産を基に相続税を計算し、控除が適用できるのであれば控除を適用して税額を少しでも下げていきます。中には特例を活用することで、さらに税額を下げておくことも可能です。

相続税は計算がややこしくて高いものと思われがちですが、実際にはそうでもないという印象を持ってもらえるのではないかと思います。しかし小さなミスは後々ややこしくなっていくことがあります。修正申告の可能性やその後の税務署とのやりとりを考えると、いくら簡単とはいえ自分で完結させることはあまりオススメできないのが現実です。その点が相続税の「難しさ」の印象を与えているといえます。

また、控除ではなく特例を活用するためにはどうしても申告しなければいけません。そしてどういった特例が存在するのかも専門家の方が熟知していることは言うまでもありません。少しでも相続を自分に有利なようにするにはこの専門家である税理士をうまく活用することがポイントになります。

相続税に関する他のハウツー記事を見る

もっと見る

協力税理士募集中!

税理士ドットコムはコンテンツの執筆・編集・監修・寄稿などにご協力いただける方を募集しています。

募集概要を見る

ライター募集中!

税理士ドットコムはライターを募集しています。

募集概要を見る

相続税に関する税務相談Q&Aをみる

顧客満足度の高い税理士を無料でご紹介します。

このようなニーズがある方は、お気軽にご相談ください。

  • 税理士を変更したい
  • 初めての税理士を探したい
  • 相続税の申告をしたい
  • 会社設立・開業をしたい
  • 個人事業主の節税・申告をしたい
税理士選び〜契約までをサポート
  • 最短当日
  • 24時間受付
  • 年中無休
  • 全国対応