役員報酬の金額変更の際の株主総会について
法人の役員報酬は会社設立後3ヶ月以内に株主総会を開いて金額を決定。2年目以降も期首から3ヶ月以内に株主総会を開いて決定する必要があると認識しています。
そこで2期目以降に役員報酬を増額する際のことについて教えて下さい。
①5月決算の場合、新しい会計年度の期首は6月1日で合ってますか?
②株主総会を開いて50万→70万に月額報酬を上げる場合、株主総会を3ヶ月以内に開いて決議する。つまり株主総会の開催及び決議が8月31日でも構わないのでしょうか?
③8月31日に株主総会を開いて70万への増額が認められた場合。
その総会での内容が「9月稼働分(実際の報酬支払いは10月支給)より70万への増額を認める。」とあった場合、9月分(10月支給)より70万全額の損金算入が認められますか?
それとも、「3か月以内に決定」というのは、株主総会の開催決議の期日ではなく、3ヶ月以内に新しい金額での報酬支給までしなくてはいけないのでしょうか?
そうなると8月31日までに新しい役員報酬価格で役員報酬を支払わなくてはならないのでしょうか?(では8月31日に株主総会を開いていたら間に合わなくなりますよね・・・・)
④「役員報酬の変更は期首より3ヶ月以内に株主総会を開いて決めなくてはならない。」とどのサイトをみても書いていますが、3ヶ月以内というのが株主総会だけを意味するのか、新しい金額での報酬支払をも意味するのかが分からず・・・。
お知恵をお貸し下さい。
税理士の回答

米森まつ美
①5月決算の場合、新しい会計年度の期首は6月1日で合ってますか?
⇒ あっています。
②株主総会を開いて50万→70万に月額報酬を上げる場合、株主総会を3ヶ月以内に開いて決議する。つまり株主総会の開催及び決議が8月31日でも構わないのでしょうか?
⇒ 構いませんが、法人の確定申告期限は決算後2カ月以内(5月決算は7月31日)となっています。
定時株主総会を定款等で3カ月以内に開催する場合は、申告期限の延長の申請が必要になります。
定時株主総会は「毎事業年度終了後一定期間内に開催する(会社法296条1項)」ことになっており、その時期は定款で定めることになっています。
法人税の確定申告は「確定した決算=株主総会により議決した決算」に基づき申告することになっていますが、申告期限が2カ月であるため、定款などで定時株主総会の開催を3カ月以内としている場合は、「申告期限の延長」の申請をすることで申告期限を1カ月延長できることになっています。
なお、役員報酬の変更は原則「定時株主総会」によります。(業績不振による減額は、臨時株主総会でも可能)
そこで、定時株主総会が決算から3カ月以内となっている場合は、極端な話として「定時株主総会」と「確定申告」を8月31日とすることは問題ないと考えます。
国税庁HPから「申告期限の延長」の説明個所を添付します。https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_12.htm?advisorReferral3=advisorReferral3=advisorReferral3=advisor-guide_Inquiry,advisor-guide_Inquiry,
③ 定時株主総会で、「支給額、支給時期」を決めることができます。8月中の支給でなくとも大丈夫です。
ただし、役員には従業員のように当月分を翌月支払うという考え方がないため、8月に改訂したならば9月支給分から増額した報酬を支払うことが妥当だと思われます。
④ 「③」と重複しますので、割愛します。
法人税法上は、主に役員報酬を「定時同額給与」「事前確定届出給与」「業務連動型」の支給について説明をしています。いつから支給すべきであるかについてまで具体的に言及していませんが、「役員報酬Q&A」に事例などが記載されています。文末にアドレスを添付しますので特に「Q2」をご参照ください。
※「業務連動給与」は一般的ではありません。
国税庁HPから役員報酬に関する関係個所を参考に添付します
「役員報酬 Q&A」
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/hojin/qa.pdf
「役員に対する給与(役員報酬)」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5211.htm
本投稿は、2024年06月03日 23時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。