海外居住のフリーランスライターへの源泉所得税・租税条約について
当方は法人経理担当です。
お尋ねしたいのは、海外居住者からの「租税条約に関する届出」の提出を希望された際、断っても問題無いかということです。
経緯としては、
これまで1年程継続して月に数万円程度の
取引があった国内に居住のフリーランスのライターから、
海外へ転居したと連絡がきました。
今後も継続して取引予定なのですが、
この方から、「租税条約に関する届出」を当方が所在する税務署へ
提出して欲しいとの希望を受けました。
その書類を出すことで、源泉税20.42%⇒5%で済むことになるからです。
当方としては、
これまでまれに海外居住者への支払が発生した場合は20.42%を徴収し納税してきたこと、今後他の方から海外転居した場合に、同じ要望を受けてたびたび対応していたのでは、キリがなく、また間違いのもとになるため、「海外居住者の方へは一律20.42%徴収にて対応しています。」とお断りしたいと考えています。
こういったフリーランスの方からの希望を断ることに、
問題はないでしょうか。
(税務的にその申し出は受けなければいけない、という決まり等があるのかな、と心配になりお尋ねしました)
どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答

回答します
「租税条約の届出書」は、報酬を受け取る者が、報酬を受け取る前日までに「報酬の支払者を通じて」提出する書類となっています。
「租税条約の届出書」の提出者はあくまでも、報酬を受け取る者である以上、支払者がその預かった届出書を提出をしないことは、税務上というよりも別な問題が生じる可能性があります。
そのため、「租税条約の届出書」が作成され、御社に提出された場合は速やかに提出されることをお勧めいたします。
また仮に「租税条約の届出書」の提出がされなかった場合であっても、報酬を受け取る者が居住国で申告して「外国税額控除」を受ける際に控除できる税額が、条約に定められた税率での税額となります。
このことから、報酬の支払者の都合で「租税条約の届出書」が提出されなかったことにより不利益を被った非居住者からは「損害賠償請求」などの税務上とは別の問題が生じると考えられます。
非居住者の方との取引は煩雑かと思いますが、引き続き処理を行うようお勧めいたします。
租税条約の届出書の件、ご回答くださりありがとうございます。
報酬を受ける者から届け出書の提出を受けたにも関わらず、
支払側の都合で提出しないのは、税務上以外の問題が生じる可能性があるのですね。承知しました。
フリーランス側から届出書が提出されない場合は、通常通り20.42%で源泉税徴収しようと考えていましたが(当方が積極的に書類を作成するものでもないですし)、フリーランスから先方の情報が記載された届出書の提出を受けましたので、当方所管の税務署へ提出の上、提出後以降の支払については、租税条約適応後の5%徴収にて対応することにいたします。
ご回答くださり助かりました。ありがとうございました。

ベストアンサーをありがとございます。
少しでもお役に立てましたら幸いです。
なお、租税条約の届出書が当初提出されない場合であっても、報酬の受け取る者は、後から提出し還付請求をすることができます。
但し、こちらも「支払者を通じて」となることと、還付の場合は手続きが煩雑になります。(税務署としては支払者側に、必要書類の提出を求めます)
事前に、租税条約の適用がある方の場合は届出書を称揚されたほうが、後のことを考えますと手数がかからないと思います。
参考にしてください。
本投稿は、2022年12月02日 16時03分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。