海外での源泉徴収について
韓国での源泉徴収について
韓国企業と業務委託契約で日本でのリモート勤務をしており、
韓国現地の口座で報酬を受け取っています。(日本在住、口座は海外)
日本で確定申告予定です。
韓国現地で引かれている源泉徴収の額が、在住者対象の税率だと気づきました。
契約先の企業に確認していますが未だお返事がありません。
この場合私に不利益はありますでしょうか。
日本の税務署に確認したところ、日本で確定申告する際に外国税額控除と併せて正しい申告をすれば問題ないとのことでした。
現地で在住者と同じ税率で処理されている場合、システム上私が在住者として登録?もしくは申告されてしまっているのではないかと不安です。
(ビザ等がないため契約期間はずっと日本で業務しています)
実際は日本在住なので出入国記録などで証明は可能ですが、ややこしいことになっていないか心配で質問させていただきました。
また海外企業が源泉徴収票及び給与明細をくれない場合、労働管轄機関などを通して要求することも可能でしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
税理士の回答

韓国企業と業務委託契約
⇒ 契約内容が、著作権の使用料などに該当せず、貴方の事業が日韓租税条約上の「自由職業者」に該当する場合で韓国国内に支店などの恒久的施設を有していない時には、貴方の所得は日本でのみ課税対象となるため、貴方が韓国で課税を受けることは誤りになると思います。
また、「業務委託」となっているものの内容が「雇用契約」であった場合は給与収入となりますが、給与の場合は韓国での勤務がない限り韓国の課税はありません。(日韓租税条約第15条)
なお、業務委託は原則「事業所得」であり、給与には該当しませんので、給与明細などはないと考えます。そのため「労働管轄機関」への請求はできるかは不明です。
ただし、韓国国内の非居住者に係る課税に関して、税務上の手続きが不明ですので、相手企業を通じて韓国の税務当局がどのような判断をしているのか確認してもらった方がよろしいかと思います。
もし韓国での課税が誤りの場合は「外国税額控除」の対象にはなりません。韓国から還付を受けることになります。
(還付を受けられれるものを、控除することはありまぜん)
例えば逆の立場であったとき(貴方が韓国の居住者(日本の非居住者)、支払者が日本企業)に、業務内容が「国内源泉所得」に該当しない場合は日本での課税はできません。
そして、日本の居住者の「報酬・料金等」の税額として課税(源泉徴収)を受けていた場合は、その源泉徴収は誤りであったとして、支払者を通じて還付を受けることになります。
※ 業務内容がデザインや原稿などの「著作権」の使用料や譲渡に係るものの場合は、日韓租税条約では債務者主義を取っていますので、韓国でも課税対象となります(10%)この場合徴収された(納付した)税金は「外国税額控除」の対象になります。(日韓租税条約第12条)
なお、自由職業者には、学術上、文学上、芸術上及び教育の独立の活動並びに医師、弁護士、技術士、建築士、歯科医師及び公認会計士の独立の活動を含みます。(日韓租税条約第14条)
とても詳しいご解説及びご回答を下さりありがとうございます。
様々なサイトや税理士様、税務署へ確認した際も、現地では“源泉徴収の義務がある”との回答でございましたので源泉徴収率についてばかり気をとられていました。
今回韓国での課税はないとのこと承知いたしました。
下記①・②で追加記載させていただきました。
>「業務委託」となっているものの内容が「雇用契約」であった場合は給与収入となりますが、給与の場合は韓国での勤務がない限り韓国の課税はありません。(日韓租税条約第15条)
①契約書を再確認しましたが、〈業務委託契約⇒請負契約〉にて契約しておりました。
┗日本の税務署では、源泉徴収票が手に入らない場合は給与明細など報酬の内容を確認できるものが必要と伺ったのですが、給与明細などがない場合でも明細を把握できる書類の形態であれば問題ないでしょうか。
また韓国での課税が誤りの場合は「外国税額控除」の対象にはならないとのこと承知いたしました!
今回の業務内容としてはデザインや原稿などの『著作権』の使用料や譲渡ではなく、事務補助という形になるので自由職業者との認識になるかと思います。
②既に現地で控除された税額、処理について
┗既に控除された額で受け取った給与が約5か月分ございます。
報酬に対し3.3%控除されており、今後還付の対象になるとのこと承知いたしました。
その場合は居住者としての処理にもならないかと思うので、1度会社にも再度確認を進めてみます。
仮にこの5か月間の税務処理を居住者として処理されていた場合でも、実際には居住歴及び入国歴がないので問題にはならないでしょうか。会社の処理ミスとはいえ、今後入国する際などに不利なことがないかを心配しております。
韓国側での税務処理はもちろん取引先の会社の処理体制に疑問があるので、先方に確認をする前に自身で把握できる範囲でクリアにしたく、こちらにご質問させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。

>日本の税務署では、源泉徴収票が手に入らない場合は給与明細など報酬の内容を確認できるものが必要と伺ったのですが、給与明細などがない場合でも明細を把握できる書類の形態であれば問題ないでしょうか。
⇒ 貴方の報酬は「給与」ではないため、仮に国内法人との取引であっても「源泉徴収票」は発行されません。給与明細書もしかりです。
なお、海外法人からの「給与」の場合も、その国のシステムによりますのでいわゆる「源泉徴収票」はないと思いますが、給与明細書などはあると思います。
業務委託(請負契約)の場合、本来は受けた方(貴方)から請求書などを作成し請求するのが通常だと思いますが、取引によっては相手側からの「清算書」や「明細書」を収入の計算根拠とする場合がありますので、なんらかの明細書があれば大丈夫だと思います。
一つお願いがあります。
混乱を招くといけませんので、韓国の企業からの収入を「給与」と表現されるより「報酬」と表現されるとよろしいかと思います。
給与=雇用契約=給与所得=源泉徴収票 となるため、実際には給与でないのであれば「報酬」と表現されることをお勧めいたします。
なお、確定申告の所得区分の「給与所得」ではなく「事業所得」又は「雑所得」となると考えられます。
>現地では“源泉徴収の義務がある”
⇒ 現地の国内法が不明ですが、どのような「所得」であると説明されたのでしょうか。
なお、「事務補助」であっても、その成果物に「著作物」に該当するようなもの(調査書や記事など)の場合は、著作権の譲渡・使用料になることもあります。
今回の報酬が伺った範囲内において、かつ、貴方が「自由職業者」として報酬の場合は、その所得は居住地国(日本国)のみで課税対象になります。
念のため財務省のhpから「日韓租税条約」の条文を添付します。
「自由職業者」は§14になります。 17枚目(p1015)
「給与」は§15になります。 18枚目(p1016)
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/Korea1998_jp_en.pdf
詳細かつとてもご丁寧にご回答下さり誠にありがとうございます。
誠に恐縮ではございますが、下記追加で記載させていただきました。
>混乱を招くといけませんので、韓国の企業からの収入を「給与」と表現されるより「報酬」と表現されるとよろしいかと思います。
給与=雇用契約=給与所得=源泉徴収票 となるため、実際には給与でないのであれば「報酬」と表現されることをお勧めいたします。
失礼いたしました。私自身が「給与」と「報酬」を混同しておりました。
>業務委託(請負契約)の場合、本来は受けた方(貴方)から請求書などを作成し請求するのが通常だと思いますが、取引によっては相手側からの「清算書」や「明細書」を収入の計算根拠とする場合がありますので、なんらかの明細書があれば大丈夫だと思います。
承知いたしました、請求書・明細書については私も認識が誤っていた部分がございましたので、取引先にも確認し、必要な形で準備いたします。
> 今回の報酬が伺った範囲内において、かつ、貴方が「自由職業者」として報酬の場合は、その所得は居住地国(日本国)のみで課税対象になります。
詳しくご説明下さりありがとうございます。
添付いただいた「日韓租税条約」も確認いたしました。
私が現在日本在住及び、給与所得は現地韓国口座に入金された状態でも、現地で“源泉徴収”の義務はございませんでしょうか。(現地居住・滞在ビザのない日本居住者)
この部分で取引先企業も混同しているのかもしれません。
経理担当者がいないようで、どのような手順で処理を行っているのか不安な部分があったため、取引先に確認する前にこちらでご質問させていただいております。
上記条件でも現地で源泉徴収が必要ない場合でしたら、既に受取済みの数か月分の「報酬」から控除済みの金額は取り戻すのが複雑かと思うので、今後支払われる予定の報酬について取引先へ確認をしようと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

>給与所得は現地韓国口座に入金された状態
⇒ 給与所得があったのでしょうか
>現地で“源泉徴収”の義務はございませんでしょうか。
⇒ お尋ねの意味がよくわかりません。
課税の有無は条約で判断しますが、課税方法は相手国の税法ですので、相手国の課税当局でご確認ください。
給与収入の口座があったということですか。
今回の報酬とは別に給与があったのでしょうか。
ともあれ「口座がある」ことだけをもって課税方法が異なるとは思えません。
そして、どのような所得が韓国の税法上、源泉徴収の対象となるのか私にわかりません。
それとも、韓国から支払われた貴方の報酬の課税が「韓国居住者の給与」として、源泉徴収されていたことに対する是非をお尋ねですか。
根本的なことを解決してください。
貴方は、韓国の法律で「韓国居住者」となる方なのでしょうか
いただいた情報では、「日本の居住者」ということですが、相手国の解釈を確認しないといけません。
次に、韓国の会社は貴方の報酬を「給与」としているのでしょうか
この点をよく詰めたうえで、条約などに当てはめるて回答をいただけるよう、取引先を通じて韓国の課税当局にご確認ください。
本投稿は、2024年07月01日 14時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。