従業員の車両を業務で使用する場合の手当について
この度、従業員の自家用車を業務使用してもらいます。
ガソリン代や車両保険の補填のため、該当の従業員には、走行距離に応じて車両手当を支給します。
この場合、従業員に対する車両手当は源泉所得税の課税対象となるのでしょうか。
税理士の回答

山本克彦
支給される車両手当は、同業種、同規模の事務所に比し相当な金額であるか同課は不明のため、給与等と認められ源泉徴収が必要になります。

柴田博壽
ご質問の内容からは、従業員の方が車両を持ち込んでの業務内容のようです。給料扱いにしますと従業員の方は、諸支払並び減価償却費などを直接、必要経費にすることはかなり難しいですね。日当を含め、全てを外注費として従業員ご本人には確定申告して頂くか、給与所得控除の特例計算を行うかを含め、顧問の税理士さんと相談して頂いた方がよろしいかと思います。
以下のどちらかの運用で源泉所得税の課税対象になるか、ならないかが決まると考えます。
- 前提:自家用車を業務で使用。月次で走行距離を記録し、ガソリン・高速・駐車場・オイル等の業務実費に照らした合理的な単価で「距離×単価」を算定。月末に申請書・走行記録・領収書等で精算する。
- パターンA(非課税となる設計)
- 走行記録と領収書に基づき、業務に通常必要な費用の実費相当額を渡し切りで支給(過不足は現金で清算、給与からの相殺や翌月繰越はしない)。
- 私用走行分を除外し、業務分のみ支給。
- 「保険料」等の固定費については、業務使用割合に応じた実費相当部分に限って、合理的根拠に基づき按分・精算。
- このような実費弁償としての取扱いであれば、原則として非課税(源泉徴収不要)と整理できます。
- パターンB(課税となる設計)
- 実費に関係なく「距離×高めの社内単価」で支給し続け、実費を明らかに上回る支給が常態化。
- 月末に給与から控除して差引精算する等、渡し切りでない運用。
- 単なる「車両手当」「ガソリン手当」等の定額支給で、実費裏付けがない。
- これらは給与課税(源泉徴収対象)となるリスクが高い運用です。

柴田博壽
後藤先生、論理的でかつ正論かと思います。
質問者様がどれくらいの事業規模で、詳細な分析が可能かどうかは未知数ですが、ご指導を許容して実行するのはなかなか容易くはないでしょうね。
本投稿は、2025年08月28日 09時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。