CM、会社案内製作費の計上について
会社のイメージCMの製作費として150万円かかり、放映料は毎月発生しております。具体的な期限はまだ分かりませんが1年以上は放映予定です。
また会社案内パンフレットの製作費として100万円かかり、パンフレット印刷代は単価✖️冊数の料金がかかります。こちらもパンフレットのデザインは1年以上使用すると思います。
経理処理としてはCMの放映料は広告宣伝費で計上し、製作費は「器具及び備品」の「映画用フイルム(スライドを含む)」の耐用年数2年により償却を行い、パンフレットの分は製作費と印刷代共に広告宣伝費で処理しようと思っておりますが、いかがでしょうか?
CMの製作費は資産計上で、パンフレットの製作費は費用計上しようとしていることが引っかかっております。
もし宜しければ後学のために根拠も含めて教えて頂けるとありがたいです。
宜しくお願い致します。
税理士の回答
以下の資料を参考とさせて頂きます。私見(調査経験)を含めて意見を述べさせて頂きます。
販売費、一般管理費その他の費用における債務確定の判定(国税庁ホームページより抜粋)
対象税目 法人税
概要 各事業年度の所得の金額の計算上、その事業年度の損金の額に算入される金額は、別段の定めのあるものを除き、売上原価等の額、販売費、一般管理費その他の費用の額、損失の額とされています。このうち、「販売費、一般管理費その他の費用」については、その事業年度の販売費、一般管理費その他の費用のうち、償却費以外の費用でその事業年度終了の日までに債務が確定しているものに限られています。この償却費以外の費用でその事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、別に定めるものを除き、次に掲げる要件のすべてに該当するものをいいます。
1 その事業年度終了の日までにその費用に係る債務が成立していること。
2 その事業年度終了の日までにその債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。
3 その事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。
根拠法令等 法法22、法基通2-2-12
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5387.htm
「放映料は毎月発生しております。具体的な期限はまだ分かりませんが1年以上は放映予定」ですので、TV等の媒体で視聴公開された時点で「放映料は広告宣伝費で計上」で問題はありません(未公開の場合は計上できません)。
「会社案内パンフレットの製作費として100万円かかり、パンフレット印刷代は単価✖️冊数の料金がかかります。こちらもパンフレットのデザインは1年以上使用する」場合は、製作費と印刷代によるパンフレットの原価を、期末までの頒布使用(冊数)分のみ広告宣伝費で処理して、期末在庫に相当する(冊数)部分は前払費用として来期に繰り越すことになります。上記の費用と同様に未経過(具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していない=広告宣伝としての効果が未実現)部分は費用計上はできません。
「会社のイメージCMの製作費」は微妙な部分がありますが、現在のCMは動画撮影及び編集による製作(電子データ等)と思われますので、『「器具及び備品」の「映画用フイルム(スライドを含む)」の耐用年数2年により償却』には該当しませんし、ソフトウェアの類の無形固定資産にも該当しないものと思われます。ですからCM動画を複数年にわたって使う場合など、費用対効果の及ぶ期間が明確かつ年度をまたぐ場合については、上記のパンフレット等と同様に効果の及ぶ期間(「具体的な期限はまだ分かりませんが1年以上は放映予定」をある程度合理的に見積もって)に応じて配分処理することが妥当と考えます。
本投稿は、2022年12月20日 12時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。