開業費はどのくらい前までか、と、その仕訳
開業しようと思い立ってから3年くらい経過してしまいました。
ハンドメイドで雑貨をネット販売しようと思っているのですが、売れるものを作るためにいろいろと試行錯誤していて今に至っています。
今年開業するのですが、3年前から用意しているものがあります。レシートやクレジットカードの明細などはすべて保管しています。
いろいろと調べていると、あまり時間のたったものは計上できないとか、数年前ならばOKとか、判断が難しいものなのだということまではわかりました。
3年前のものを計上するのはやはり難しいのでしょうか。
また、会計ソフトを使用するのですが、最初の記入の際の仕分けは以下のようにして良いのでしょうか。
●材料や梱包に必要なものは開業日に仕入や荷貨運賃費で計上する
●今まで練習用に消費した材料は研究開発費で計上する
●消耗品・事務用品・書籍・研究開発費は開業費にする。
この仕分けですと開業費は20万円くらいになります。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
こんにちは。税理士の人見と申します。
個人事業主の場合、開業費は基本的に何年前の経費であっても計上できないという決まりはありません。開業のための費用かどうかが重要となりますので、証明できるものとして、領収書等の保管があればよろしいかと思います。
個人事業主であれば、開業前の事業経費についてはほとんどが開業費として計上できます。質問者様の場合、売上原価となるもの(仕入勘定で処理)以外は開業費でよろしいかと思います。
少しでもお役に立てれば幸いです。
人見様
回答ありがとうございました。
仕入以外ということは、段ボール等の荷貨運賃費にあたるものも開業費に含めても問題ないということなのでしょうか。
それと少し先の話ですが、年末に棚卸をする際に未使用の物は繰り越しすることになると思うのですが、開業費に含まれているものが残っていた場合、そのまま期末在庫として大丈夫なのでしょうか。
一度開業費(資産)に含まれたものがもう一度経費として計上されると、二重に帳簿に載る(?)ことになったりはしないのでしょうか。
ご質問ありがとうございます。
お返事遅くなり申し訳ありません。
①段ボール等について
段ボール等の荷貨運賃費も開業費に計上して問題ありません。
②棚卸資産について
棚卸資産とは、販売目的で所有する資産で商品や原材料などがこれに該当します。商品の材料等は仕入勘定に計上しますので、開業費には期末棚卸資産となるものは計上されることはなく、二重に帳簿に計上されることもありませんのでご安心ください。
ふたたび回答ありがとうございました。
調べたところ、棚卸は仕入材料以外に未使用の事務用品、消耗品、工具、器具、備品、燃料、梱包用品などもしなければならないとありますが、
「日頃から経常的に消費し、定期的かつ継続的に消費しているような物品類は 「貯蔵品」扱いにする必要はありません」
という一文がありましたので、これに該当して棚卸の必要がないということで良いのでしょうか。
安売りなどで一年では使いきれない量の段ボールなどを購入した場合には棚卸をしたほうが良いということでしょうか。
万が一税務調査などがあった場合に、仕入材料以外の棚卸をしていないとダメな場合とかはありますでしょうか。
お返事ありがとうございます。
おっしゃる通り、貯蔵品の扱いについては、定期的に消費することが見込まれる物品について、一定量をストックしている状況を仮定した簡易的な処理が、会計的にも、税務的にも認められています。つまり購入した時に消費したと考えてよいということです。
もちろん、消耗品として期末に資産計上してもよろしいかと思いますが、以後会計上継続しなければなりません。その場合は今回の開業費に含まれている分は除き、期末に貯蔵品勘定などに振り替えることになると思います。
以上よろしくお願いいたします。
何度も回答いただき感謝しております。
大変分かりやすく、まだ勉強途中の初心者の私には大変参考になりました。
一度仕訳方法を決めたら変えられないということはどこかで読みましたので、今回回答いただいたとおり仕入材料のみ棚卸するようにしようと思います。
ありがとうございました。
本投稿は、2019年01月10日 17時31分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。