予備校講師の経費について
現在、業務委託という形で予備校講師をしています。経費について質問です。
①スーツや靴などは経費にできますか?また、項目は何になりますか?
②授業の準備は自宅で行っていますが、家賃は経費にできますか?また、項目は何になりますか?
以上、よろしくお願いします。
税理士の回答

スーツや靴は経費で問題ありません。金額はそれほどでもないでしょうから雑費で良いでしょう。
家賃も経費にできるでしょうが計上できるとしても支払額の2割前後くらいではないでしょうか。項目は地代家賃あるいは大した金額でもないでしょうからこれも雑費で良いでしょう。
ところでこのような業務委託で仕事をしている方は必要経費が少なくなりがちですから、これを補うため、家内労働者の必要経費の特例という制度が設けられています。
これは経費実額に関わらず65万まで経費計上を認めるものです。
青色申告特別控除65万と合算することができます。
使える方の条件が色々ありますが、使えるようであれば活用されると良いでしょう。
1,ご質問のスーツや靴が予備校講師としての業務専用のものであれば必要経費で宜しいと考えます。科目は1着当たり10万円未満のものは消耗品費、10万円以上の場合には原則として備品等の固定資産となり減価償却で経費処理することになります。
(10万円以上20万円未満の場合は、3年間の償却「一括償却」が簡易的に認められています。)
2,自宅家賃に関しては、仕事専用の部屋が明確に区分されていれば床面積の割合で経費算入が可能ですが、リビングやダイニングなど、日常生活でも使う場所で仕事をする場合には、家賃を必要経費にすることはできません。「明確に区分することができる」というのが経費処理できる条件となります。
なお、特定の人に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人に関しては、「家内労働者等の必要経費の特例」が適用できます。
詳細につきましては下記サイトをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1810.htm
本西先生、服部先生、早速のご回答ありがとうございます。
①家賃に関してですが、管理費、公益費、町内会費、振込手数料、火災保険料などは可能でしょうか?
②平成30年の確定申告の修正は可能でしょうか?また手続きはどうなりますか?
③電気代はどのようにして按分したらよいでしょうか?
以上、よろしくお願いします。
ご連絡ありがとうございます。
追加のご質問につきまして以下回答いたします。なお、仕事専用の部屋がある前提で回答致しますのでご了承ください。
① 家賃を按分する割合(床面積等の比率)に応じて管理費や共益費等も按分して宜しいと思います。なお、町内会費は業務と直接の関連はないと思われますので、こちらは経費算入は難しいと思います。
② 平成30年分の確定申告の修正に関しては、経費を追加計上して税金を戻してもらう手続きになりますので「更正の請求」という手続きになります。更正の請求があった場合には、税務署は原則として修正内容に関して税務調査を行った上で適否を判断し還付することになっていますので、かなりハードルが高くなるのは事実です。税務署を刺激することにもなりますので慎重に考えられた方が宜しいと思います。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2026.htm
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/01.htm
③ 電気代は仕事で実際に使うものと使用時間を明確にして、1ヶ月の電気代を合理的に按分することになると思われます。経費に算入する分の金額の根拠については納税者に説明責任がありますので、その根拠を明確にしておく必要があります。
服部先生、早速のご回答ありがとうございます。最後の質問になります。
①火災保険料はどうなるでしょうか?入居の際加入が義務付けられています。また振込手数料はどうなるでしょうか?
②電気代ですが、情報収集や授業の準備などでほぼ毎日パソコン、インターネットを利用しています。また、北海道に住んでいるので冬期間(11月~4月)は電気ストーブが欠かせません。厳寒の時は居間で教材研究をすることもあります。また、部屋は日当たりが悪いので早めに点灯することもあります。このような状況だと按分はどの程度になるでしょうか?ご回答が難しいのはわかっていますが。
③「税務署を刺激することにもなります」とご回答されていますが、どのような意味なのでしょうか?毎年確定申告の際、今まで以上に入念に調査されるということでしょうか?今回は断念して、来年の確定申告の際家賃と電気代を経費に計上したら、金額の根拠の詳しい説明を求められるのでしょうか?
以上、よろしくお願いします。
火災保険料は家賃の案分割合と同様の割合で案分されるのが宜しいと思います。振込手数料も経費算入が可能なものの支払に係る場合には、経費計上(案分処理するものの場合には同じ案分割合)が可能と考えます。
電気代については利用の実態に応じて合理的に分けるとしか言い様がないでね。ご自宅での一日の仕事時間と、ご自宅全体に占める仕事部屋の割合等を考慮して、毎月の電気代を自宅用と仕事用とに合理的に分けるのが望ましいと思います。
更正の請求が提出されますと、税務署はかなり慎重に中身をチェックします。特に自宅に関する諸費用の追加となりますと金額の根拠の説明が求められると思われますので、それに対応できるようしっかりと理論武装しておくことが必要と考えます。
服部先生、丁寧にご回答いただき、誠にありがとうございます。
現時点では理論武装ができていませんので、来年から計上しようと思っています。
家賃に関して面積比で考えるにしても、例えば共用部分(玄関、トイレ、廊下など)は仕事にも必要ですからそれを含めて按分するのか、といった疑問点が残ります。また電気代は単純にコンセントの数で決められるものなのか、といった課題もあります。
来年に向けて研究しようと考えています。いずれにせよ、真摯にご回答いただき、有難く思っています。本当にありがとうございました。
本投稿は、2019年06月21日 00時12分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。