税理士ドットコム - [計上]製造経費と営業経費の区別について(製造原価の計算) - ①例えば電気代では、製造スペースとその他事務管理...
  1. 税理士ドットコム
  2. 経理・決算
  3. 計上
  4. 製造経費と営業経費の区別について(製造原価の計算)

計上

 投稿

製造経費と営業経費の区別について(製造原価の計算)

青色申告の製造原価の計算について悩んでおります。

当方、製造小売業なのですが、青色申告の製造原価の計算がよく理解できておらず、毎年煩雑になっております。今年は時間もあるため、しっかりとしたものを来年提出したいと思っております。

①製造経費が製造以外の業務にかかる費用と区別するのが難しいです。(例えば電気代、労務費など)このような場合、どのように処理したらよろしいでしょうか。

②材料でないが製品をつくるために必要な型を仕入れた場合、仕訳は何に該当しますか。
(オーダー品を作る場合その型は1回の使用の場合もありますし、数年後に再び使用する場合もあります。既製品の製造の場合は複数回使用します。型ひとつの金額は1万円いかないくらいです)

③青色申告にあたり、製造原価の計算箇所を詳しく書いている本を探しているのですが、なかなかその箇所に深く触れている本に出会っておりません。どのように勉強したらよろしいでしょうか。
おすすめの本やサイト、勉強方法などはありますか。

すみませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

税理士の回答

①例えば電気代では、製造スペースとその他事務管理のスペースの面積比で按分するのがよいかと思います。労務費についてはその職員が製造に携わった時間とその他の業務に携わった時間の比率で按分するのが適当だと思われます。

②たとえば、
(借方)備品消耗品費×××(貸方)未払金×××
などが考えられます。

上記科目は製造経費になります。

③とくにありません。中小企業の会計においては、この分野は実務と教科書の乖離が激しく、本を読んでも参考にならないからです。
 基本は、工場でかかる経費=製造原価、それ以外=販売費および一般管理費、ということで理解しておけばよいものと思われます。

①製造経費が製造以外の業務にかかる費用と区別するのが難しいです。(例えば電気代、労務費など)


電気代は製造場所と製造以外の場所でメーターを分けることができれば区分しやすいですが、分けることができなければ概算(製造8割など)で分けるしかありません。一般的には機械の動力費としての電気代が多額になりますので、そのあたりを考慮することになります。

労務費は製造と製造以外の両方に携わる人は、それぞれの作業時間数を把握して按分することになります。どこまで厳密に把握するかは実務上の煩雑さを考慮して下さい。


②材料でないが製品をつくるために必要な型を仕入れた場合、仕訳は何に該当しますか。


消耗品費(製造経費)に該当します。

③青色申告にあたり、製造原価の計算箇所を詳しく書いている本を探しているのですが、なかなかその箇所に深く触れている本に出会っておりません。どのように勉強したらよろしいでしょうか。


実務は企業ごとに製造する製品や製造方法が異なりますので、独自の原価計算方法を採用されているケースが多いです。
原価計算の基礎について説明している書籍で考え方(原価とは何か、原価の集計方法、共通費の配賦方法、仕掛品の評価方法など)を学んでいただき、自社に合う計算方法を模索されてはいかがでしょうか。
原価計算までしなくても、簡易な計算方法と記帳方法でしたら、工業簿記を勉強していただくのも一つの方法だと思います。

よろしくお願いいたします。

わかりやすいご回答ありがとうございます。
大変勉強になります。

その後工業簿記を少し触れてみたのですが、月に一度の棚卸…都度使った分の材料費の計上など書いており、年度末1度で済ませる方法はないかと思っております…。

購入した材料はその都度入力するとしまして、製品に使った分の材料は年度末にまとめて帳簿付けする方法はありますでしょうか。

また、小さい工房で、営業所と製造場が同じ空間のため、光熱費の割合は大体で分けるとしまして、その金額の仕訳はどのようにしたらよろしいでしょうか。
例えば1万円の水道光熱費だとして3:7の金額で割って売上原価の水道光熱費と販売管理費の水道光熱費?で3000円と7000円とし計算していくものでしょうか。

度々の質問すみません。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

まず、材料等の棚卸を毎月か年度末に1回するかという点につきましては、製造原価や損益の計算の目的によります。
税務申告の目的だけでしたら、年度末に1回でも問題ありませんが、
経営者としての管理目的でしたら、毎月の方がタイムリーに損益などの数字を把握でき、スピーディーな経営判断に役立ちます。
ですから、原価計算の目的をどこに重きを置くかでご判断いただければと思います。

共通費の按分につきまいては、営業所と製造場が同じ空間でしたら、光熱費は大体で按分していただいて問題ありません。
おっしゃるように3:7で3,000円と7,000円という形で結構です。
製造原価の科目は製造経費(水道光熱費)で、販売管理費の科目は水道光熱費で仕訳していただければ結構です。

よろしくお願いいたします。

本投稿は、2020年07月27日 18時44分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

この相談に近い税務相談

  • 製造原価(労務費)について

    業種によっては販管費ではなく給与(雑給)を製造原価で処理できると伺いました。 私が経営している ①整体院 施術者の労働対価が直接売上に繋がっております ...
    税理士回答数:  1
    2019年12月05日 投稿
  • 製造業における実際原価について

    製造業の会社に転職しました。損益計算書の売上原価を計算する上では個別の実際原価またはそれに準ずる原価が必須だと思っていたのですが現在は製造記録、出納記録など何も...
    税理士回答数:  2
    2018年07月27日 投稿
  • 製造原価の決算書について

    洋服を製造販売し、個人事業として開業するため勉強中ですが製造原価について引っかかり悩んでおります。 知識不足のため分かりにくい点もあるかと思いますが、ご教示頂...
    税理士回答数:  2
    2020年04月05日 投稿
  • 製造原価報告書について

    オークションにて、イラストを販売しております。 来年は青色申告をする予定です。 それで色々調べていて分からない事が出て来たのですが、イラスト販売についても製...
    税理士回答数:  1
    2016年08月07日 投稿
  • 製造原価報告書について

    イラストを制作し、ネットオークションで販売しております。 確定申告をする際、製造原価報告書の欄がありますが、イラスト制作についても記入する必要がありますで...
    税理士回答数:  1
    2016年08月11日 投稿

計上に関する相談一覧

分野

人気のエリアの税理士事務所

計上に関する他のハウツー記事を見る

みんなの税務相談

税理士の無料紹介サービス

プロが税理士を無料でご紹介いたします

  • 相談無料
  • 全国対応
  • 24時間受付
税理士紹介サービスの詳細はこちら
累計 相談数
158,388
直近30日 相談数
693
直近30日 税理士回答数
1,391