期首商品棚卸高について
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平成27年分は白色で確定申告、
平成28年~令和1年まで小規模事業者の現金主義用青色申告で
で行いました。
今年度から小規模事業者でなくなり、65万円控除の青色申告を行います。
平成28年~令和1年まで期間は、期末商品棚卸高、期首商品棚卸高を計上していません。
平成27年分の白色申告で計上した期末商品棚卸高は、今年度の期首商品棚卸高に計上して良いのでしょうか?
税理士の回答

中西博明
27年の期末棚卸高を令和2年期首棚卸高に計上していいかと聞かれたら結構だとは言えません。
現時点の棚卸高は把握できるはずですから、今年の商品の出入り状況を遡れば期首棚卸高は把握できますので、65万円控除を適用するのであればそのようにして期首棚卸高を算定してください。
ご回答ありがとうございます。
令和1年12月31日の在庫を今年度の期首商品棚卸高に計上するという考えで良いでしょうか。
令和1年まで現金主義会計で、
前年に仕入れた商品を全て令和1年の仕入と計上して申告している場合は、
在庫があっても今年度の期首商品棚卸高は0ということで良いでしょうか?

中西博明
現金主義では、入金したときに売上を計上し、支出したときに仕入を計上するため、売上と仕入との対応がとれていません。そのため、棚卸しをしても決算書上で売上原価の計算をする欄はありません。
しかし、現実には事業を継続しておれば期首棚卸高は0ではないと思いますので、現時点の在庫から商品の出入り状況を加減すれば期首棚卸高は計算できますので、そうされたらいかがですか。
ご回答ありがとうございます。
勉強不足で何度も質問をしてしまい申し訳ありません。
27年度分に計上した在庫は昨年までに全て売れて残っておらず、
現金主義用で申告した28年~令和1年に仕入れた商品は全て現金で支払い、
仕入として必要経費に計上して、これまで申告している場合も
令和1年12月31日に在庫があれば今年度の期首商品棚卸高に計上して良いのでしょうか?
2重計上とはならないのでしょうか?

中西博明
本来、発生主義の場合、売上原価は(期首棚卸高+期中仕入高−期末棚卸高)で計算します。
したがって、期中に仕入れた商品が期末時点で売れ残っておれば、その年の売上原価は、仕入高から期末棚卸高を差し引くことになります。
現金主義の場合、実際に期首期末棚卸があってもそれぞれ0として計算しますが、発生主義に切り替える時には棚卸高も調整が必要になりますので、令和元年期末棚卸高を令和2年期首棚卸高としても二重計上だと考えなくてもいいと思います。
※期首棚卸と期末棚卸を同額とした場合も同じ結果になる。
何度も丁寧にご教授いただきありがとうございました。
先生のご解説に安心いたしました。
また宜しくお願い致します。
前回、ご回答いただきありがとうございます。
できれば中西先生にご教授いただきたいのですが、
発生主義に切り替える時に棚卸高も調整した場合、
貸借対照表の令和2年度1月1日(期首)の棚卸資産の欄には、令和2年期首棚卸高を表記して良いのでしょうか?
昨年度まで現金主義で帳簿を作成したため、現在、令和2年度1月1日(期首)の棚卸資産の欄が0円になっています。

中西博明
会計ソフトを使用しておれば、開始残高を設定できると思いますので、期首商品棚卸高を入力してください。
なお、会計ソフトによって、入力方法は違うと思いますので、使用ソフトのマニュアルでご確認ください。
毎回迅速なご回答を有難うございます。
開始残高を設定して、貸借対照表の期首、棚卸資産の欄に入力できました。
貸借対照表の期首について、売掛金と買掛金の欄も0円となっておりますが、
棚卸資産を調整して期首に表記した場合、
売掛金と買掛金が0円というのは不自然でおかしいでしょうか?
令和1年度末、
売掛金、買掛金が発生しましたが、現金主義用で帳簿を作成したため計上しておりませんでした。

中西博明
業種にもよりますが、現金主義から発生主義に変更した場合、1月の入金は前年12月の売上だと思いますから、令和2年の期首現在では売掛金となります。
同様に買掛金もあるようでしたら、実際残高を計上してください。
お忙しい中、何度もご回答を頂きまして
誠にありがとうございます。
ご指摘の通り、前年12月の売上(100万円)は今年の1月入金でございました。
現金主義だったため、前年度の売上高に計上しておりませんでした。
今年度、発生主義に変更後も
令和2年1月6日
普通預金100/売上高100
と単純に仕訳しておりました。
このまま開始残高に売掛金100万円を計上し、貸借バランスの差額を元入金に集計を行いました。
このままですと貸借対照表の期末、売掛金の欄に100万円多く計上されてしまい、
売上高を売掛金に変更して仕訳した場合は売上高が減ってしまうのですが、
下記の仕訳で問題ないでしょうか。
正しい仕訳を教えて頂けますと幸いでございます。
開始残高に売掛金100万円、元入金で貸借調整
令和2年1月6日
普通預金100/売上高100
元入金100/売掛金100

中西博明
1/6の仕訳は、普通預金100万円/売掛金100万円とすれば、期首売掛金100万円が0になります。
なお、令和2年分の売上は1月請求(2月入金)から12月請求(翌年1月入金)分を計上することになります。
ご回答ありがとうございます。
勉強不足で何度も質問をしてしまい申し訳ありません。
その仕訳ですと、現段階では売上高も利益も100万円減ってしまうのですが
前年12月の売上が前年も今年度も売上高として計上されないことに問題ないのでしょうか。
個人的には税金が減りそうで嬉しいのですが。

中西博明
現金主義から発生主義に変更すれば必ず歪みが出ます。
なお、仕入も前年12月分が計上されないことになると思いますので、差益分だけの利益が下がることになると思います。
お忙しい中、ご回答ありがとうございました。
先生のご解説を元に帳簿を見直します。
また先生にご回答頂けますと嬉しく思います。
本投稿は、2020年11月23日 13時08分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。