役員報酬を売上原価に計上する件
過去の決算書を見ると、役員報酬を売上原価に乗せています。役員報酬は販管費に乗せるものだと思っていましたが、どのようなメリットがありますか。
売上原価が高くなり粗利が悪くなるだけだと思うのですが。
もしかして、売上に直結していない役員報酬を仕掛品に乗せて、経費計上しなければ、利益が増えるなんてことがあるからでしょうか?
税理士の回答

土師弘之
利益を計上するかどうかではなく、原価計算の考え方の問題です。
役員報酬は純然たる「販売費及び一般管理費」であり、原価性はないため売上原価を構成することは通常ないのですが、現実問題として1人社長などの場合は、社長の1ヶ月の報酬は会社経営に対する報酬と、現場労務に対する報酬に分けられなければ社長の報酬の金額の説明がつきません。
ですので、社長の1ヶ月の報酬のうち、現場労務に対する報酬部分については売上原価に計上を行う必要があると考えられています。
過去の決算書に役員報酬が売上原価に計上されているのは、労務費に該当する部分があったということなのでしょう。
ありがとうございます。ということは役員報酬が全額売上原価はおかしいでしょうか?

土師弘之
経営に対する部分が少なからずあるはずですので、役員報酬の全額というのはおかしいということは言えますが、報酬の金額があまりにも少ない場合には、経営に対する部分がないと判断しても不合理だとは言えないと思われます。
本投稿は、2021年07月11日 13時39分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。