サブリース賃料交渉中の確定申告
サブリースでアパート所有しているオーナーです。
サブリース会社から賃料減額の申し出があり、交渉が成立していない状態で減額家賃を振り込まれております。まだ双方の賃料合意に至っておらず時間がかかりそうです。確定申告の期限までに合意がなされなかった場合、一旦確定申告をして修正申告を行う形になるかと思います。その場合、支払われている減額された賃料で収入を計上し、その後決まった金額で修正申告を行う方が良いのか、それともこちらの希望賃料で収入を計上し、今期は未収金として計上しておき回収できなかった分を貸倒損失として来期に計上した方がよろしいのでしょうか。
お手数ですが、ご指導いただけますと助かります。
税理士の回答

畑中達司
賃貸料に争いがある場合、通常、支払われた家賃で収入計上を行い、その後両者で協議の上解決した時に差額があれば、そのときに収入計上することになります。
ご存じかもしれませんが、サブリースに関して令和2年6月19日に賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(サブリース新法)が定められ、サブリース業者に、家主へのきちんとした事前説明などが求められるようになりました。なぜ、この法律ができたかと言えば、家主とサブリース業者の間でトラブルが多発したからです。
賃料の増減請求権は、賃貸借契約書上「合意のうえ」と文言があっても、借地借家法32条が適用されるため、サブリース業者がオーナーに支払う家賃が、①租税その他の負担の増減により不相当となった ②地価の上昇又は低下等経済事情の変動により不相当となった ③近傍同種の借賃に比較して不相当となったときは、賃貸契約にかかわらず、サブリース業者は家賃を相当な家賃に減額することを請求することができることになっているからです。ただし、空室の増加やサブリース業者の経営状況の悪化等が生じたとしても、同条に基づく減額請求はできないこととなっています。
そして、サブリース業者が借地借家法に基づいて、賃料の減額請求があってもオーナーは必ずその請求を受け入れなければならないわけでなく、家賃決定の要素とした事情を総合的に考慮した上で、家賃改定額について合意に至らない場合は、最終的には訴訟によることとなります。したがって、その賃料改定の理由及び改定家賃額の根拠についてきちんとした説明を求めることが大事です。
交渉中の賃料の計上についてご返答ありがとうございました。
サブリース新法の内容についても丁寧にご説明いただきありがとうございます。
先方からもこの法律について聞いておりますが、合意地点を検討中でした。
今年の確定申告については一旦支払われた賃料で申告し、後日合意点にて修正申告いたしたいと思います。
本投稿は、2021年12月15日 10時11分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。