事前確定届出給与の届出期限について
表題の件について、以下のように理解しています。
「事前確定届出給与に係る株主総会」とは、一般的に定時株主総会である。定時株主総会は、会社法上は事業年度終了後3ヶ月以内に開催すれば良いが、法人税法上は、申告に株主総会での決算承認が必要であるため、法人税申告より前に行う。
そうすると、基本的には、法人税申告期限が2ヶ月以内なので、その1月後の3ヶ月以内が届出期限になる。
しかし、裁判例で、確定申告の効力には必ずしも株主総会での決算承認を必要としない旨の判示がされているかと思います。であれば、確定申告後に定時株主総会を開き、その日を職務執行開始日とすることで、事業年度終了後3ヶ月より後(4ヶ月以内)を事前確定届出給与の届出期限とすることが可能だと思うのですが、いかがでしょうか?
税理士の回答

土師弘之
決算確定の問題と役員職務執行の問題は全く別の問題です。
事前確定届出給与は職務執行の問題ですので、確定決算とは関係なく、
定時株主総会でその日を職務執行開始日とすると、株主総会から1か月後、つまり、事業年度終了3か月後が事前確定届出給与の届出期限となります。
ご回答ありがとうございます。
決算確定の問題と役員職務執行の問題は全く別の問題ということですと、定時株主総会を確定申告後に行うことは問題ないでしょうか?
例えば、3月決算で、5月30日に確定申告、6月10日に定時株主総会、なので事前確定の届出期限は7月10日、ということは可能でしょうか?

土師弘之
「定時株主総会を確定申告後に行う」のではなく「未確定決算で確定申告を行う」ということになりますが、これは法人税法上は違法行為となります。
ただし、「確定申告の効力には必ずしも株主総会での決算承認を必要としない」旨の判決があることから、実務上は未確定決算申告については何ら対応がなされていません。(後に、株主総会で承認を得たことから「事後承認」されたため問題が治癒しているという解釈もあります。)
このため、問題はありますが、何らかの対応が行われていないのが現状ということになります。
本投稿は、2025年08月04日 10時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。