役員報酬改定の件
会計期 令和7年7月1日から令和8年6月30日
株主総会 令和8年8月
来期(7月分)より 役員報酬を変更するのですが
7月分給与は7月28日支払いとなります。
その場合 株主総会 開催前となりますが7月分(7/28支払)からの変更で
問題ないでしょうか?
7月分から変更で翌年6月分まで同じ報酬を支払った場合
損金扱いできますか?
税理士の回答
① 結論
7/28支給分から新額で払いたいのであれば、「支給前」に正式決議(株主総会または取締役会)が必要です。
決議が支給後や3か月超(=R7/9/30超)にずれると、増額部分が損金不算入リスクが出ます。最も安全なのは、7/28前に書面決議を済ませ、新額の効力発生日をR7/7/1と明記する運用です。
もしそれが難しいなら、7月は旧額のまま、8月以降(総会後)を新額にしても、R7/9/30までの改定なら定期同額給与として損金算入は可能です。
② 理由
定期同額給与として損金算入するには、事業年度開始日(R7/7/1)から3か月以内(R7/9/30まで)に支給額を決定し、その後毎月同額で支給することが要件となります。
株主総会が8月でも、7/28前に有効な決議(定款で取締役会決定に委任しているなら取締役会決議、委任なしなら株主総会決議)があれば7月分から新額で安全に損金算入可能です。
決議前に新額を払うと、会社法上の権限逸脱・税務上の「定期同額給与と認められない部分」の恐れがございますのでお気を付けください。
③ 手順のご案内
A. 7/28から新額にしたい
定款確認:役員報酬決定権限が取締役会か株主総会かを必ず確認。
7/28支給前に決議(書面決議で可):
決議文言例
「役員報酬は令和7年7月1日を効力発生日として、月額〇〇円とする。支給日は毎月28日とし、令和8年6月支給分まで同額とする。」
議事録・決議書を保存。給与台帳・給与規程にも反映。
→ これでR7/7~R8/6まで同額の定期同額給与となり、全額損金算入可能となります。
B. 決議が7/28に間に合わない
7月は旧額で支給し、8月の総会(または取締役会)で新額を決議、8月分から翌年6月まで同額で支給。
改定時期がR7/9/30までなら、定期同額給与の改定として損金算入は可能です。
7月分は旧額=昨期決議の継続支給として問題ないです。
C. 避けるべき行動
無決議のまま7/28に新額を支給(後追い決議)。
決議がR7/10/1以降(3か月超)。
→ いずれも増額部分が損金不算入になる可能性が高く、税務調査で突かれる可能性があります。
本投稿は、2025年11月27日 16時14分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







