派遣社員から請求される派遣社員の特殊勤務手当について
派遣社員から請求される派遣社員の特殊勤務手当について質問です。
派遣社員に当社規程の特殊勤務手当を支払う場合があります(派遣会社経由で)。
その際、派遣会社によって請求の仕方が異なり、インボイスの関係もあって混乱しています。
①派遣社員への特殊勤務手当を預り金として処理し、非課税取引として記載
②派遣社員への特殊勤務手当に消費税額を加算して請求
個別の契約書の中身までは確認していないのですが、人事担当に確認したところ、おそらく各種勤務手当の明確な取り扱いまで契約書には記載されていないとのことでした。
そもそも①②とも派遣会社の取り扱いとして税法上問題ないのでしょうか?
また当社では①②とも課税取引として処理していますが、税抜金額は①の場合②よりも減額しますが、同じ事象なのに税抜金額が異なるのは問題ないのでしょうか?
税理士の回答
労働者派遣法第2条第1項第1号においては、「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」と定義されています。
派遣先(当社)は、派遣サービスの対価を派遣元(派遣会社)に支払うのであり、労働者に給与等を支払うものではありません。
①②とも派遣会社に対してサービスの対価を支払うもので、源泉徴収義務はなく、消費税は課税取引にあたります。
質問者様の会社の処理は正しいもので、①の請求は、請求元が間違っている恐れがあります。
なお、支払う対価は、派遣元と当社とで決めているため、税抜き金額が違っていても、税務上は「(源泉や消費税などの)処理が正しいか」で考えます。
【追加です】
今年10月以降は、①の派遣元からの請求書は適格請求書(インボイス)の要件を満たさないのではないでしょうか?
この場合は、仕入税額控除ができないと思料されます。
※ ①の請求元とは、法令を確認のうえ、請求内容を確認したほうがよろしいのではないでしょうか。
柳元先生、ご回答ありがとうございます。
追加の質問になりますが、①の場合はその請求書に消費税・消費税額の記載がありませんが、当社で「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」を追記することにより、①の請求書を「区分記載請求書」として、免税事業者等からの課税仕入れに係る経過措置を受けることはできるのでしょうか?
先方からの請求書が「預り金」となっているのですよね。実務では、事実認定として、貴社と派遣元との「真の合意が何か」、つまり、「資産の譲渡の対価の額(課税取引)か」にアクセントをおかれると思います。
しかしながら、派遣元は、いわゆる派遣業法においての規定と違った請求をしている。その事実関係の積み上げにかかっていると思います。なので、早期に派遣元との打ち合わせが必要に思います。
なお、「派遣の対価」との前提により、おっしゃるとおり「追記による経過措置」を受けることは可能です。
《参考》国税庁HP:「お問合せの多い事項」問7
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0521-1334-faq.pdf
柳元先生、ご回答ありがとうございます。
大変よく理解できました。
本投稿は、2023年11月27日 17時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。