期中現金主義と発生主義の違い
お世話になります。
例えば、システム利用料などを翌月分を当月末までに支払う場合、簿記のテキストを見ても、発生主義でも
支払手数料 / 普通預金
で毎月仕訳を切って、年次決算整理仕訳の「費用の繰延」で、
前払費用 / 支払手数料
という仕訳を入れると思います。
発生主義会計の説明教材でもこうなっていますし、国税HPの青色申告者のための帳簿付けの説明資料でもこのようになっているのは何故でしょうか?
これは期中現金主義と呼ばれるものではないのでしょうか?
発生主義なら、支払った時点では、
前払費用 / 普通預金
とすべきではないのでしょうか?
期中現金主義と発生主義がどこで線が引かれているのかがよく分からずご教示のほどお願い致します。
税理士の回答

期中現金主義は、現金取引でないにもかかわらず、期中の取引を売掛金勘定、買掛金勘定、未払金勘定を使わずに入金時に売上を計上し、支払時に仕入高や経費を計上する方法ですね。
期中現金主義で作られた月次損益計算書を用いて、経営判断や経営評価に利用するのはリスクがあると言われています。
テキストや国税の発生主義の考え方は、あくまでも「年度決算」や「年度申告」において言及しているもので、月次決算においても、内部管理目的として発生主義によるかどうかは各社の(効果と労力を勘案し)裁量に委ねられている状況です。
月次決算の切り口で考えれば、テキストや国税の考え方は「期中現金主義」となると私も思います。ただし年間決算の切り口だと「発生主義」と捉えることも可能です。
上記参考になれば幸いです。
本投稿は、2024年03月14日 07時39分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。