過大計上
前期の売上を10万円過大計上していることに気づきました。
決算月に現金売上があったにもかかわらず、更に売掛金として計上して決算をしめていました。
繰越欠損が700万程あり前期も100万赤字です。
修正申告する以外に、今期処理する方法はないでしょうか。
前期修正損は目立つので避けたいのですが、単純に売上を戻しても問題ないでしょうか。
税理士の回答

柴田博壽
前期の所得金額が減少することになりますので修正申告ではなく更正の請求書の提出を行うことになります。
証拠資料として同一の件に関し売上を重複して計上したことが判明する「売上高元帳」等の帳簿書類の写を添付することになります。
ありがとうございます。
税金は発生しておらず、所得税も全部還付なのですが、更正の請求書をだすのでしょうか。
税金的には何も影響ないのですが。

柴田博壽
申告した年度の申告内容を是正するには
①所得金額(又は税額)の増加 修正申告
②同上 の減少 更正の請求
の2とおりしかありません。
①については税務署から指摘及び修正申告のしょうようがあります。
②については、納税者の権利ですから、自発的にアピールすることになります。

柴田博壽
追加して申し上げます。
欠損の場合、税額に影響はないのですが、翌期以降に繰り越す欠損金が増加しますから権利になりますね。
結論としては
前期の売上過大計上は、原則として前期の修正申告によって是正するのが適切です。今期の処理で調整する方法(売上戻しや前期損益修正損での処理)は、税務上は認められない可能性が高く、税務調査で指摘を受けるリスクがあります。
詳細
誤謬訂正の原則
・売上を二重に計上していた場合は「誤謬訂正」に該当し、誤りが発生した年度の申告内容を修正するのが原則です。
・この場合、修正申告を行い、売上や所得を正しい金額に訂正する対応が求められます。
修正申告の影響
・前期も赤字(欠損)であり繰越欠損金があるとのことなので、修正申告により繰越欠損金の金額が増える結果となり、将来の黒字年度における節税効果が大きくなる可能性があります。
・法人税や所得税の納付額が過大に計算されていた場合には、還付を受けられることもあります。
今期で処理するリスク
・会計処理上は重要性が乏しい誤謬なら「前期損益修正益/損」として当期処理する場合もありますが、税務上は各事業年度ごとに独立して課税所得を計算するため、この取扱いは原則認められません。
・「単純に売上を戻す」方法では、今期の売上を過少に計上することとなり、税務署から不適切と判断される可能性があります。
まとめ
(1) 原則は前期の修正申告で対応すべき
(2) 修正申告によって繰越欠損金が正しく修正され、将来の節税効果につながる可能性がある
(3) 今期の売上戻しで処理することは税務上リスクが高く推奨できない

柴田博壽
質問者様、
回りくどい説明でしたが、お役に立てたのであれば幸いです。
本投稿は、2025年08月19日 07時13分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。