新リース会計基準について
2027年4月1日から開始される新リース会計基準について、
現状はまだ概ね処理が固まっていない企業が多いと思いますが、
契約期間×月額で300万を超えるかどうかでオンバランスすることになるかと思われます。
そこで疑問なのですが、契約期間とは(※1)一番最初の契約からのことなのか、
(※2)直近の更新からの期間なのかどちらでしょうか。
もしくは2025年4月1日~2045年3月1日といったような明確な契約期間がなく、一番最初の契約から自動更新の場合は、次の更新期間までの総額で判断するのでしょうか。
見解が難しい時期ですが、先生方の見解をご教示いただけますと幸いです。
例)2005年4月1日~、1年毎に自動更新、月額15万円
※1であれば、総額で300万を既に超えます。
※2であれば、更新されるので2025年4月1日~2026年3月31日で総額15万
税理士の回答
以下のどちかで判断することになると考えます。
1. 「借手のリース期間」で判断する場合(原則)
◦ 新基準適用時点(例えば2027年4月1日)において、そのリース契約が今後も継続されることが「合理的に確実」であるかを上記の経済的インセンティブの要因を総合的に考慮して判断します。
◦ 例えば、普通借家契約の設例(本適用指針 設例8-1)では、貸手からの更新拒絶事由がなければ、借手は延長オプションを有すると判断されるため、経済的インセンティブを考慮してリース期間を決定する必要があるとされています。
◦ もし、例えば今後10年間は継続されることが「合理的に確実」と判断された場合、リース期間は10年となります。この場合、10年 × 15万円/月 × 12ヶ月 = 1,800万円となり、旧基準の300万円相当の基準(新基準では「リース契約1件当たりの金額に重要性が乏しい」かどうかの判断)を超えることになります。
◦ 反対に、経済的インセンティブが特にない(例えば、いつでも簡単に代替物件を見つけられる、多額の改良投資もないなど)と判断された場合、解約不能期間である1年のみが「合理的に確実」と判断される可能性もあります(本適用指針 設例8-5)。この場合、1年 × 15万円/月 × 12ヶ月 = 180万円となり、300万円相当の基準は超えません。
◦ したがって、「借手のリース期間」の判断は、個別の契約や企業の状況(当該物件が事業にとってどの程度重要か、改良投資の有無、解約時のコストなど)に大きく依存します。単に最初の契約からの総期間や直近の更新からの期間といった機械的な判断ではなく、「合理的に確実」という観点から将来を見積もることになります。
2. 「契約期間」で判断する場合(例外的な取扱い)
◦ 少額リースの簡便的な取扱いを選択し、対象期間を「契約期間」とする場合、1年毎の自動更新契約であれば、契約書に定められた期間である「1年」を対象期間とします。
◦ この場合、1年 × 15万円/月 × 12ヶ月 = 180万円となり、300万円相当の基準は超えないことになります。
本投稿は、2025年08月28日 16時34分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。