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賞与認定された退職金

兼務役員に従業員部分のみ退職金を支給します。
その後も非常勤として勤務をしてもらうのですが、正直なところ「実質的に退職したと同様の事情にある」と認められるかどうか微妙です。
仮に認められなかった場合賞与としての扱いになると思うのですが、その場合、源泉所得税も退職所得として計算されず、賞与として源泉所得税が計算されてしまうのでしょうか?

税理士の回答

こんにちは、税理士の川島です。
ご記載の通り源泉所得税も退職所得で計算されず、給与所得にて計算となります。

 今回使用人兼務役員の方が一旦どのような理由で「退職」したのでしょうか。
  使用人として「定年」を迎えたため「使用人分の退職金」を支給したのでしょうか、常勤から非常勤役員になったことで支給したのでしょうか。
  また、今回の退職金が「打ち切り支給」であったのでしょうか。

   原則としては、使用人兼務役員であってもその身分は役員であり、実際に退職をしていないため、賞与となる可能性は高くなります。
  しかし、「従業員」としての退職金ということであり、「打ち切り支給」とし次の条件を満たす場合は退職所得と認められる可能性があります
 ① 支給を受けた者が使用人から使用人兼務役員に昇任した者(使用人期間が相当期間あるものに限ります)であり、かつ、その者にその昇任した時に使用人期間に係る退職給与を支給していないこと。
 ② その退職金の額が、使用人としての間の退職給与規程に基づき、使用人であった期間及び使用人兼務役員であった期間を通算してその使用人としての職務に対する退職給与として計算されており、かつ、当該退職給与として相当であると認められる金額であること
  (法人税基本通達9-2-37 ただし書)
 
  前提として、今回の退職金が「打ち切り支給」である必要があります。打ち切り支給とは、『今後支給される退職金が支給前の勤務期間などを「一切加味しない」で支給されない』ことを指します。
 
 このほか、「打ち切り支給」が前提ですが
 今回の支給が、分掌変更等により(常勤役員が非常勤役員となった等)支給さる場合で、分掌変更等の後における役員報酬が激減(おおむね50%以上減少)した場合などは、退職所得となります。
  (所得税基本通達36-2(3))

  お尋ねでは、支給額は「従業員」の退職金額というお話でしたが、最終的な退職(非常勤役員も退任)時に、役員としての退職金(使用人兼務役員の期間を含む)を支給する場合は、今回の支給が「退職所得」にはならず「賞与」となります。

 「賞与」となった場合はご本人の税負担が大きくなりますので、退職給与規程等や役員の退職金等の考え方について整理し、所轄税務署のご相談されてはいかがでしょうか。
 
 参考箇所を添付します
 「法人税基本通達」
 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/09/09_02_07.htm
 「所得税基本通達」
 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/04/04.htm

  タックスアンサー
 「役員の分掌変更したときの退職金」
 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/hojin/5203.htm

 一部 記載に誤りがありました

 打ち切り支給とは・・の説明で、最後の
 『・・・「一切加味しない」で支給されない』ではなく
 『・・・「一切加味しない」で支給される』となります。
 大変申し訳ございません

  蛇足ですが
 「非常勤」が「非常勤役員」ではなく、定年退職により退職し、役員ではなくなった者に支給した退職給与は、退職所得になります。
 ※所得税基本通達30-2(4)の退職給与に該当します。
 もちろん、この場合も「打ち切り支給」が前提です。

本投稿は、2025年09月01日 16時49分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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