記念式典の税務的注意点について
弊社では、創立40周年記念式典を開催する予定です。
式典当日、席札としてクオカードを用意し、来場者全員に配布する予定です。
来場者の内訳は、取引先・関係会社・従業員・一般参加者です。
【ご質問】
① 席札用クオカードの経費処理について
取引先・関係会社・一般参加者に配布するクオカードは、交際費として処理して問題ないでしょうか。
また、クオカードの金額は、おおよそどの程度までであれば社会通念上妥当な範囲と認められますか。
さらに、クオカードに自社の社名や周年ロゴを印字した場合には、金額が多少大きくても広告宣伝費として処理できる余地はありますでしょうか。
② 従業員への配布について
従業員もおおむね全員が式典に参加する予定ですが、この場合、給与課税の対象となるのか、それとも福利厚生費として処理できるのかを教えてください。
また、金額の目安として、どの程度までであれば「社会通念上妥当」と判断されるかについてもご教示いただけますでしょうか。
なお、上記の判断にあたって、もし追加で必要な情報があればお知らせください。
税理士の回答

上田誠
① 取引先・関係会社・一般参加者へのクオカード配布について
創立記念式典での配布目的が「取引先等との関係維持・親睦」であれば、原則として交際費処理が妥当です。
ただし、クオカードに社名や周年ロゴを印字し、広く一般の来場者にも配布するなど広告・宣伝の要素が明確であれば、広告宣伝費として処理できる余地があります。
金額の目安としては、社会通念上妥当とされる範囲は1,000円前後、取引先向けなどであれば3,000円程度までが一般的です。5,000円を超えると過大な交際費とみなされる可能性が高まります。
② 従業員へのクオカード配布について
全従業員に一律で、創立記念など慶事を目的として配布する場合は、福利厚生費として処理が可能であり、給与課税の対象にはなりません。
一方で、特定の部署や役職者のみが対象、または金額が高額(5,000円を超えるなど)の場合は、給与として課税されるリスクがあります。
社会通念上妥当と判断される金額の目安は3,000円程度までです。
追加で確認が必要な事項として
・クオカードに社名や周年ロゴを印字するか
・配布対象者ごとの人数と金額
・配布目的(記念・宣伝・関係維持のいずれか)
・式典全体の費用規模
これらを踏まえると、交際費・広告宣伝費・福利厚生費を区分して処理し、金額を上記範囲内に収めるのが税務上もっとも安全です。
本投稿は、2025年10月13日 16時34分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。