不動産業における棚卸資産の評価について
この度不動産業を開業しようと考えています。
簿記の教科書をよむと様々な棚卸資産の評価方法が記載されていますが、不動産業で不動産を販売する場合には個別法が適しているようです。
そこで、疑問に思ったのですが、放っておくと最終原価仕入法になってしまうようです。
不動産販売業で最終原価仕入方などということがあり得るのでしょうか?
また、個別法で評価する場合には何か手続きがいるのでしょうか?
税理士の回答
税理士の及川と申します。よろしくお願いいたします。
法人税法施行令には以下のとおりの定めがあります。
(棚卸資産の法定評価方法)
第三十一条 法第二十九条第一項 (棚卸資産の売上原価等の計算及びその評価の方法)に規定する評価の方法を選定しなかつた場合又は選定した方法により評価しなかつた場合における政令で定める方法は、第二十八条第一項第一号ホ(最終仕入原価法)に掲げる最終仕入原価法により算出した取得価額による原価法とする。
2 税務署長は、内国法人が棚卸資産につき選定した評価の方法(評価の方法を届け出なかつた内国法人がよるべきこととされている前項に規定する評価の方法を含む。)により評価しなかつた場合において、その内国法人が行つた評価の方法が第二十八条第一項に規定する評価の方法のうちいずれかの方法に該当し、かつ、その行つた評価の方法によつてもその内国法人の各事業年度の所得の金額の計算を適正に行うことができると認めるときは、その行つた評価の方法により計算した各事業年度の所得の金額を基礎として更正又は決定(国税通則法 (昭和三十七年法律第六十六号)第二十五条 (決定)の規定による決定をいう。)をすることができる。
実際の話として、不動産販売業で最終仕入原価法などということはあり得ませんので、もし「個別法」の選択届をしないまま、法定の「最終仕入原価法」と形式的にはなったとしても、税務署も「個別法」による計算を認めることになります。
以上です。
ご返答委だきありがとうございます。
参考になりました。
また、私は最初は個人事業主で開業しようかとおもっているのですが個人事業主の場合でも同じでしょうか?
(引用されている法律が法人税法のようでしたので一応、質問しました。)
個人事業主の場合も同様です。
所得法施行令には以下のとおりの定めがあります。
(棚卸資産の法定評価方法)
第百二条 法第四十七条第一項 (棚卸資産の売上原価等の計算及びその評価の方法)に規定する評価の方法を選定しなかつた場合又は選定した方法により評価しなかつた場合における政令で定める方法は、第九十九条第一項第一号ホ(棚卸資産の評価の方法)に掲げる最終仕入原価法により算出した取得価額による原価法とする。
2 税務署長は、居住者が棚卸資産につき選定した評価の方法(評価の方法を届け出なかつた居住者がよるべきこととされている前項に規定する評価の方法を含む。)により評価しなかつた場合において、その居住者が行つた評価の方法が第九十九条第一項に規定する評価の方法のうちいずれかの方法に該当し、かつ、その行つた評価の方法によつてもその居住者の各年分の事業所得の金額の計算を適正に行うことができると認めるときは、その行つた評価の方法により計算した各年分の事業所得の金額を基礎として更正又は決定をすることができる。
以上です。
ご指導ありがとうございました。ご回答を参考に業務を進めたいと思います。
本投稿は、2016年07月30日 11時14分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。