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不動産資産の相続方法に関して

私(50代)には、母(80代)から約9000万円の不動産資産(都心のビル)が相続される予定があります。
私は未婚で妻、子供がいません。また父は既に他界しています。
また私には弟(40代)とその子供(私にとって甥:10代)がいます。
→母にとって法定相続人は私(長男)と弟になります。

<相談1>
母が他界した場合、上記した9000万の不動産を
下記のどの方法が良いのでしょうか?(節税的観点より)
①母→私へ相続→弟へ相続→弟の子供(私にとって甥)へ相続
②母→弟へ相続→弟の子供(私にとって甥)へ相続
③母→弟の子供(私にとって甥)へ相続 *弟が生存していると仮定し、公的遺言書を使用

<相談2>
母の資産を私が相続し、更に私が他界した際、
基本、法定相続人である弟のみへ相続されると理解しています。
弟へ相続する際、基礎控除3000万+600万=3600万が控除されると思いますが、
上記した9000万円を弟ではなく、甥へ直接 全額相続する場合、基礎控除額はいくらになりますか?
(弟は生きていて、公的遺言書を作成する前提)
そもそも未成年である甥に9000万の不動産をもたせる事は可能なのでしょうか?

<相談3>
上記した不動産(土地・建物)の名義と、その不動産収入先の名義を異なる人にしても良いのでしょうか?
例:不動産名義は弟。不動産収入や経費などの口座名義は私。

多くの相談、また相談の仕方が下手で申し訳ございませんが、助言をお願い致します。

税理士の回答

ご質問ありがとうございます。
まず、相談1についてご回答させていただきます。

<回答1>
節税的観点から申し上げますと、①~③の中では、基本的には②がよろしいかと思われます。
理由としましては、釈迦に説法で恐縮ですが、相続税の2割加算
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4157.htm )という制度がございまして、①質問者さまから弟さまへの相続には、相続税が2割増しになりますので、これは避けるのがセオリーになります。

②と③の比較をしますと、③にも上記の2割加算の適用がありますが、そもそも1世代分の相続税をスキップしている側面もありますので、甲乙つけがたい部分もあります。
ただし、相続後の維持管理(大規模修繕の資金のための融資など)を考えると、10代のお子さまに所有権を渡すというのはあまり現実的ではなく、②の弟さま→お子さまという順繰りがセオリーかと思われます。

ここで重要なことですが、
お母さまの財産が不動産以外にあまりないという場合には、兄弟間のバランスが難しくなります。
不動産を相続した側が一定の代償金をもう一方の方に支払うなど、バランスのとりかたは様々ありますが、質問者さまのケースでは、あえて兄弟均等に共有持分50%ずつなどで相続する方法も検討の余地はあると思われます。

基本的に、不動産の共有相続はおすすめしておりませんが、おすすめできない理由としては、処分や大規模修繕の際に調整が難しくなるというものがあります。
特に、ご兄弟の世代ではまだコミュニケーションが取れても、その1世代下になると調整が極めて困難になるケースが往々にしてございます。
この点、質問者さまの場合ですと、質問者さまの次には弟さまのお子さまに引き継がれる想定とのことですので、その問題はおこりにくいかと推察されます。

蛇足ですが、相続税の2割加算と絡めて付け加えますと、
無作為に質問者さま→甥御さまに相続する場合は2割加算の対象になりますが、甥御さまを質問者さまの養子としてからの相続であればこの2割加算は回避できます。

以上、とり急ぎご相談1についてご回答さしあげます。
他のご相談について、大変恐縮ですが、順次検討の上ご回答差し上げたいと思います。

続いてご相談2について回答いたします。

<相談2>
母の資産を私が相続し、更に私が他界した際、
基本、法定相続人である弟のみへ相続されると理解しています。
弟へ相続する際、基礎控除3000万+600万=3600万が控除されると思いますが、
上記した9000万円を弟ではなく、甥へ直接 全額相続する場合、基礎控除額はいくらになりますか?
(弟は生きていて、公的遺言書を作成する前提)
そもそも未成年である甥に9000万の不動産をもたせる事は可能なのでしょうか?


甥御様に直接全額相続した場合であっても基礎控除は3600万円となります。
理由は、基礎控除は以下①と②の合計額で計算するように相続税法で定まっているからです。
 ①3000万円
 ②600万円×法定相続人の数
上記の例では、質問者様の法定相続人(相続の放棄があった場合でもその放棄がなかったものとした場合の相続人)は弟さま1人のみですので、3600万円となります。

ここで、甥御様はそもそも法律用語でいう「相続人」に該当しないため、基礎控除の計算対象外となっております。
ただし、甥御様と質問者さまとの間で養子縁組をした場合は、その相続人の数が2人となりますので、基礎控除額は4200万円となります。(また、前回の回答でご説明差し上げた相続税額の2割加算も回避されます。)

そもそもそのような相続は可能か、という点については法律上適切な手続きを踏めば問題ございません。
(具体的な手続きについては弁護士等にご相談ください。)

以上、ご相談2についてご回答差し上げました。

大変恐縮ですが、ご相談3については別途回答させて頂きます。

ご相談3について回答いたします。

<相談3>
上記した不動産(土地・建物)の名義と、その不動産収入先の名義を異なる人にしても良いのでしょうか?
例:不動産名義は弟。不動産収入や経費などの口座名義は私。


不動産の所有者と、その不動産による所得を受ける人は基本的に同一人物になりますので基本的にはNGです。
ただし、家賃収入は建物の所有者のものになりますので、土地は弟さま、建物は質問者さまという状態になれば似たような効果は出せることとなります。

また、法人を設立し、その法人から給料をもらうという形にすれば家賃収入のやりくりがより自由になります。
相続の方法については、相続後の所有関係をどうコーディネートするかという点も視野にいれることが重要になります。

以上、拙い説明で大変恐縮ですがご相談3件についてご回答いたします。

この度は各相談に対して、ご丁寧なご回答ありがとうございました。
相談した不動産資産以外にも不動産及び動産があり、相続対策を早めに開始しようと家族で相談していました。
2割加算や養子縁組、法人設立など多くをご教授頂きありがとうございました。

相談させて頂いた不動産(ビル)は現時点で既に叔母(母の姉)と母で1/2分割しており、
私や甥までの世代まで考えると叔母家系へ売ってしまうことも案の一つとし、
今回助言いただいた内容含め 家族で相談していきたいと思います。

以上、ありがとうございました。

ご返信ありがとうございます。
相続対策を早目に行うことは節税の観点だけでなく、一族円満の観点からも重要ですのでよくご相談いただければと思います。
また、親族間だからこそ相談しにくい部分などもあるとは思いますので、そういう場合は外部専門家をうまくご利用ください。

本投稿は、2015年05月09日 08時15分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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