母固有の預金であることを証明する方法はありますか
父が亡くなり、相続税申告書を作成中です。
生前父が私たち遺族が煩わしくないようにと身辺整理をしてくれていたおかげで、なんとかなりそうだと思っていたのですが、一点問題が出てきてしまったのでこちらで相談させてください。
母名義の預金のことです。
母名義の預金が2000万近くあり、母に確認すると父から受け取ったものではなく、全て母が自分で管理し貯めたものだそうです。
具体的には内職を含めたパート収入や定期預金等で増やしたと。
生活費は父の収入で賄っていたので、母の預金はほとんど手がつけらない状態だったそうです。
ただ、主婦にしては金額が大きいので、相続税申告にあたり名義預金と疑われないか心配です。
状況としては、
・パート時代の母の通帳は残っていない。
・銀行印は父のものと同じ。
・年金の支払い、確定申告等もしたことがない。(扶養内だった為)
・父の通帳も直近のもの以外は廃棄済み。
このような場合、名義預金と疑われるのを覚悟で父の資産として計上せず、税務調査に入られたとして、名義預金ではないことを証明する手立てはあるのでしょうか?
母の記憶だけが頼りという心許ない状況なので、少しでも有利な条件が知れればありがたいです。
尚、冒頭述べました通り、父の身辺整理の中で母の預金については全く触れておりませんでしたので、父自身は名義預金と疑われることはないとの認識だったと思います。
実際、まとまった額を母に渡したこともなければ当然かもしれません。
母が自分で貯めたものを名義預金と認める必要はないと思うのですが、状況的に不利なような気がしています。
何かアドバイスを頂けたらと思います。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
お父様とお母様の過去10年間分の預貯金取引(通帳がなくても金融機関から有料で取得することができます)を確認してから判断することをおすすめします。
税務署が名義預金や贈与を指摘するためには、高額な入出金など何らかの根拠が必要です。
お母様の口座にほとんど動きがなければ、お母様の言うとおり昔の収入をそのまま貯めていたことは事実であり、あえて名義預金とする必要はありません。
なお、思わぬ相続税の課税財産もありえます。
税理士が作成していない申告書はそれだけで税務調査の選定理由になりえます。
相続税申告書作成は税理士に依頼することをおすすめします。
ご心配されるご心中、お察しいたします。
結論から申し上げると、お母さま固有の財産ですので、当然申告する必要はありません。
ただし、心配されるように、①パート収入のお母さまが高額な預金を持っていること②使用印鑑がお父様と同じ、とのことですので、税務署は名義預金では?との疑いを必ず持ちます。もし、口座開設の筆跡がお父さまですと、さらに調査の可能性は高まります。
ですので、申告の際に、具体的に過去のお母さまの収入(何年から何年までどこで働いていくらずつもらっていたか、など)、預金の運用方法(どこの金融機関で定期にしていた、など)、印鑑がお父様と同じ理由(家計の管理がお母さまであったので、手間を考えて印鑑をあえて一緒にした、など)、お父様とお母さまの預金の間で入金出金をしていない旨、を事前に記載し提出するのも一つだと思います。国税庁のHPに、相続税申告書のチェックシートがあり、その中に 「名義は異なるが、被相続人に帰属するものはありませんか」との項目があるため、チェックシートと理由書を一緒に提出するとよいでしょう。
理由書を出さなくても、税務調査の際に、お母さま固有の預金である根拠を示すことができるよう準備しておくべきと考えます。
お二人の先生方、ご回答ありがとうございました。
具体的な方策をご助言いただき、また心強いお言葉をくださった水野先生をベストアンサーにさせていただきましたが、過去10年の取引明細書を取得できることを教えてくださった中田先生にも感謝申し上げます。
私の思い違いで、母は一時正社員にもなっていたようです。その間(3年ですが)は年金も自分で払っていました。
母の記憶をたどり、どこでどのくらい働いていたか、その間の収入はどれくらいだったかをまとめてみたところ、2000万を超える収入となりました。
母は半ば投げやりに、もうどうでもいい(調査に来るなら来てくださいというような)と言ってますが、その場で慌てることのないようできるだけのことはしたいので、水野先生に教えていただいた理由書の作成を含め、準備しようと思います。
この度はお力になっていただき、ありがとうございました。
回答を参考にしていただき、ありがとうございます。
お母さまも必要以上に不安になる必要はないとお伝えください。
ただ、備えあれば憂いなし、だと思いますので、やはりお母さまの記憶がはっきりしている時に記録を残しておくのが良いと思います。
水野先生、重ねてのご助言、ありがとうございます。
母にもそのように伝えさせていただきます。
さっそく理由書も作成しました。(就労先の名称など一部不明瞭ですが)
申告書提出前に一度税務署で相談させていただく予定なので、その際に母の預金について、理由書とともに提出する旨、伝えてみようと思います。
こちらで相談にのっていただき、大変助かりました。
申告書作成は父に託された仕事だと思っているので、できるだけ自力で作成したいと思っていました。
ネットの記事は大変参考になる一方、不安を煽られるものも多いので、このように直に税理士の方にお聞きすることができて安心いたしました。
また何かありましたら、よろしくお願いいたします。
微力ながらお力添えができたのであれば、幸いです。
また何かございましたら、お気軽にご相談ください。
本投稿は、2022年12月28日 18時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。