個人事業主と役員の兼任について
現在、個人事業主として
企業Aから仕事を受注
企業Bへ 仕事を発注 ※負担減および経費削減
の流れで仕事を行っています。
そこで企業Bから会社役員にならないかと相談がありました。
※上の業務とは別の仕事内容です。
ただ、個人事業主としての仕事は続ける予定です。
確認したいことは
個人事業主として企業Bへ仕事を発注しながら
その企業の役員になることは可能なのでしょうか?
アルバイトであれば問題ない等あればそれも知りたいです。
税理士の回答

石割由紀人
個人事業主として企業Bに仕事を発注しながらその企業の役員になることは、法的には可能です。ただし、いくつかの点に注意する必要があります。
1. 利害関係の整理
- 個人事業主として企業Bに発注する立場と、その企業の役員としての立場で利害の対立が発生する可能性があります。この場合、利益相反取引の問題となる可能性があるため、企業の取締役会での承認が必要かもしれません。
2. 会社法の規定
- 日本の会社法では、役員が企業の利益に反する行為をしてはならないとされています(会社法第355条)。役員就任によって、企業Bが個人事業主として発注している業務の内容や条件がどのように変更されるかを事前に確認する必要があります。
3. 税務上の注意点
- 役員報酬と個人事業の収入は別扱いとなります。役員としての報酬については、給与所得となり、個人事業の所得とは別に申告することになります。
4. 就業規則との整合性
- 企業Bが、役員の兼業を認めているかどうかを確認することも重要です。企業の就業規則や役員規程に兼業の可否や条件が記載されていることがあります。
5. 社会保険上の影響
- 役員就任に伴い、社会保険の加入状況が変わる可能性があります。特に企業Bでの加入が求められる場合、個人事業としての社会保険との調整が必要となるかもしれません。
6. 法令遵守
- 最終的には、法令遵守や企業のガバナンスを尊重することが重要です。もし利害関係が複雑になる場合には、弁護士に相談することをお勧めします。
これらの点を踏まえた上で、企業Bの役員になるかどうかを決定することが重要です。具体的な対応は、企業Bの実情や取締役会の方針にも依存するため、企業Bの法務部門や弁護士に相談することが推奨されます。
本投稿は、2024年10月03日 08時23分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。