経営コンサルティング報酬についてご質問があります
以前、コンサルティング業務委託契約を交わしていたお客様様から、
コンサルティング料から源泉徴収を引いていなかったので、今年分払った10%を返して欲しい
と言われました。
契約時、向こうの社長と税理士とも話が出来ており、その際に源泉徴収等はないと言われていて、
支払ってから後で返して欲しいと言われています。
そもそも、源泉徴収税は会社の支払い義務で
会社の方の過失になるのに今さら、私の方で返金するのは妥当なのでしょうか?
こちらの過失であれば分かるのですが、
先方から言われてやった事なのに今さら返金という事に疑問を感じています。
詳しい先生、この件については
私の立場でいくと元クライアントに返金しなければならないでしょうか?
税理士の回答

回答します
当該、源泉所得税に関しては、元クライアントに送金する必要があります。
【理由】
コンサルタント料は源泉徴収を要する「報酬・料金等」に該当します。
そして、源泉徴収義務者(報酬の支払者)は、源泉徴収を要する報酬等を支払ったときには「所得税を源泉徴収する義務」が生じます。
源泉徴収を要する報酬等の支払時に所得税を源泉徴収しなかった場合であっても、その義務は免れません。
なお、源泉所得税の負担者は報酬を受取者であり、源泉徴収義務者ではありません。
そのため、源泉徴収が漏れ、納付などが遅れた場合のペナルティは源泉徴収義務者が負うことになります。
(国と源泉徴収義務者との法的関係)
次に、源泉所得税が徴収漏れとなった時には、報酬の受取者は源泉所得税分が多く支払われたことになりますので、当該金額を源泉徴収義務者は報酬の受取者に請求することになり、報酬の受取者は返金することになります。
(源泉徴取義務者と報酬の受領者の法的関係)
報酬の受取者は、確定申告時に当該源泉所得税額分を、算出された所得税額から差し引き、納付税額を納める又は還付を受けることになります。
既に、確定申告が完了した年分の場合は、更正の請求により還付を受けることになります。
なお、確定申告書の記載する源泉所得税額が「源泉徴収された所得税」ではなく「源泉徴収されるべき所得税」であると、裁決等で言われています。 (報酬の受取者と国との法的関係)
上記の3つの法的関係は、それぞれ別であるため、源泉所得税額が高額な場合となる時等、例えば、クライアントが一旦立替えて納税した後に、報酬の受取者は分割して返金することや、後の報酬の支払時に精算をすることもあります。
また、元クライアントが税務調査で指摘を受けた場合による追加納付の場合は、更正の請求を自身で行うのではなく、「職権」で還付をしてもらうように、調査官に伝えるよう求める方が、手間が省けます。
なお、源泉所得税額分を元クライアントが負担することになった場合には、「報酬の追加払い」があったとして、改めて手取計算による源泉所得税の計算が行われます。
元クライアントとよく話し合いされることをお勧めいたします。

一言抜けていました。
税率は10%ではなく10.21%ととなっています。(税理士などの報酬と同じとなります)
本投稿は、2022年11月28日 20時01分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。