定額減税について(所得税)
お世話になっております。
標題の件ご相談申し上げます。
給与計算を担当しております者ですが、今回の定額減税に関しご相談がございます。
弊社では、6/14に賞与支給を予定しております。
そのため、定額減税の適用初回は6/14賞与、2回目は6/25給与となりますが、
所得税額計算は、「6/1時点での税扶養状況により計算する」と説明文を読みました。
そのため、6/14までに、社員から
「源泉徴収に係る定額減税のための申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書」を回収しなければなりません。
そこで以下ご相談となります。
①「源泉徴収に係る定額減税のための申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書」は、
年初申告(2024年給与計算にあたり、1月に提出させたマルフ)から変更がない場合には、提出の必要はない認識でお間違いないでしょうか?
②あくまでも、6/1時点税扶養状況を回収するものであり、
6/2以降異動分は、年末調整時に申告と精算を実施する
認識でお間違いないでしょうか?
③定額減税により、明細上は、6月賞与・給与以降の所得税は、
「0円」になる月があるように見えますが、
年末調整により精算されるため、結局的には年間でみると
何も変わらず、減税になっていないように思えるのですが、
それは誤った認識でしょうか?
知識不足にて大変申し訳ございません。
何卒ご指導の程宜しくお願い申し上げます。
税理士の回答

① ほぼご認識のとおりとなります。
「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」は「源泉控除対象配偶者」に該当しない「同一生計配偶者」等などがいる場合に提出していただく申告書になります。
「源泉控除対象配偶者」は、本人の合計所得金額が900万円を超えると対象外となりますが、定額減税の所得制限は「合計所得金額1805万円」のため、定額減税の対象となる「配偶者」の方がいらっしゃることが考えられます。
そこで、「扶養控除等申告書」に記載されていない、同一生計配偶者や扶養親族がいる場合に記載し提出していただきますので、「追加の控除対象」の方がいない場合の提出は不要となります。
申告書の記載例にもその旨が記載されています。
「国税庁HP から記載例」
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/teigaku/pdf/0024003-171_02.pdf
② 「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」は、「6/1以後に最初の支給される給与等の支払日」までととなっています。
ただし、給与の支払日に提出されても源泉所得税の計算などが間に合いませんので、提出時期を定めてそれまでに提出していただくのが、実務的だと考えます
③ 年末調整では「年調減税」を行いますので、結果的には「年間で一人3万円」となり、変わらないように感じるかもしれません。
特に「基礎控除申告」において本人の合計所得金額が1,805万円を超える方は定額減税が受けられなくなりますので、「年末調整で追加徴収」することになるため、「月次減税」の意味がないように思います。
※あらかじめ合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる方にも、月次減税をすることになっているため、特に意味がないと考えます。
「国税庁HP の 定額減税Q&A ]
問3-4、問9-1 をご確認くいださい
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0024001-021.pdf
米森先生
お世話になっております。
早速のご指導ありがとうございます。
詳細のご指導をいただきたすかります。
①「源泉控除対象配偶者」、「同一生計配偶者」(例:妻が夫の扶養に入る)になるには、
妻の所得制限と、それから夫の所得制限もありますが、
「源泉控除対象配偶者」、「同一生計配偶者」の違いは、
夫の所得制限の金額が異なるという認識にてお間違いないでしょうか?
②計算に間に合うように提出依頼するようにしたいと思います。
③米森先生のおっしゃる通りだと思います。
弊社でも年収2000超がほぼ確定している者が複数います。
その社員は、年末調整対象外となるかと思いますので、確定申告で「徴収される」ことになるのでしょうか?
2000を超えない社員は、結果的に年間30000円の減税となるかと思いますが、
2000を超える社員は、月次減税の意味がない・・、かえって混乱させてしまうのでは・・そう思ってしまいます。

① ご主人の所得制限の金額だけではなく、配偶者の合計所得金額の違いもあります。
源泉控除対象配偶者は、配偶者が「合計所得金額48万円超」であっても、「配偶者特別控除」の対象となる場合は、所得者の合計所得金額によっては該当する可能性があります。
しかし、同一生計配偶者は、「合計所得金額48万円以下」でないと該当しません。
そこで、「扶養控除等申告書」に記載された配偶者の方の「合計所得金額」にも注意する必要があります。
「定額減税のしかた」のP4の図が、定額減税対象となる「同一生計配偶者」をイメージしやすいと思います。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/0023012-317.pdf
② 大変ですが、頑張ってください
③ 弊社でも年収2000超がほぼ確定している者が複数います。
その社員は、年末調整対象外となるかと思いますので、確定申告で「徴収される」ことになるのでしょうか?
⇒ そのとおりです。
Q&Aにもそのように記載があります。
制度(法律)を作った人は、「基準日在職者」に対して一律に「月次減税」したほうが簡便であると考えたのでしょうが、かえって混乱のもとになったように思います。
(正直、こんなに「手間」を掛けさせるなら「給付金」にして欲しかったと思います)
米森先生
お世話になっております。
早速のご返信ありがとうございます。
① 夫のみではなく、妻の所得制限もある旨、ご指導ありがとうございます。
注意致します。
③ 米森先生のおっしゃる通りです。
対策を講じるのであれば「給付金」の方がよかったのではと思います。
誰のための税制改正なのかと思ってしまいます。
・米森先生すみません、続けて大変申し訳ないのですが、
今回、6月の賞与・給与計算にあたっては、「6/1時点での税扶養家族状況」により計算を致しますが、
「申告を忘れてしまった」、「申告を誤ってしまった」、「6/2以降に税扶養家族に異動があった」などという場合には、
「月次減税」ではなく、「年調減税」で精算されるため、年間通して考えると、結果的には変わらない認識にてお間違いないでしょうか??

>年間通して考えると、結果的には変わらない認識にてお間違いないでしょうか??
⇒ そのご認識で間違いありません。
「給付金」ですと「減税」とは言えないためにこんな制度になったように思います。
大変でしょうが頑張ってください。
米森先生
お世話になっております。
ご返信ありがとうございます。
詳細なご指導大変たすかりました。

少しでもお役に立てましたら幸いです
本投稿は、2024年05月30日 08時27分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。