住宅ローン控除中の物件売買について。
タイトルが 分かりにくいので、物件A・Bと書かせて頂きます。宜しく お願いします。
子供の事情がありまして、引っ越し、自宅として住んでいた 物件Aを売る勇気が無く、賃貸に出しました。(Aは ローン完済 済み)
そして、2年後に その(現在 住んでいる)場所が教育環境等 気に入り、決心して 建売り住宅Bを購入、自宅として住み、住宅ローンを組みました。
転職等ありましたが、もともと 今の仕事は、ダブルワークで20年 やっていた仕事ですし、資格や免許なども取得済みでした。今は キツいですが、良い事に転職先に恵まれました。若い頃は苦労しましたので、遊ぶ暇もなく、収入は ほぼ貯蓄でした。
住宅Bには7割ほど 頭金を入れ、審査料などの補完的にかかる費用も全て現金。という事で 家を購入、残りの3割の金額を住宅ローンとしました。
転職1年目・年齢もアラフィフという事でしたが、 店長経験などから…自分でつけていた家計簿と賃貸収入 自作経理書が、銀行さんの外回りの子に気に入って頂いて、審査も 通りました。(給与所得 兼 不動産業 扱い)
そうしたところ、住宅ローン控除2年目に賃貸に出している物件Aを 借主さんから
「どうしても、ココのAを売ってくれないか?」と打診があり、今年 売却。
そこで、確定申告書の準備を始めたんですが…
給与所得に賃貸収入の途中まで、と 物件Aの譲渡?雑所得?だか、加わる確定申告書になる?みたいです…
税務署で お聞きしたら、「物件を売る時には"元の買った時の書類が無いと"90%だか、95%だかの金額が所得計算される…」だとかで、家じゅうを探して全て税務署に書類を見て頂いたんですが、書類が「全て違う」と…
こういう場合は、ローン控除の戻り額が大きくなる?収入が大きく、所得税が上がる?だか、結局 どうなるんでしょうか?
申告書Bに自分で数字を入れると、今年だけ、借入れ額の計算の方が(少なくなるので) 借入れ額を基準に計算して、ローン控除を計算?…とも思うのですが、予想外の連続で訳が分かりません。
申告書Bで自分で入れると所得が今年だけ2500万位。借入れ残額が500万程。
税金が凄く来るのか?借入れの500✖️0.7% だか?が戻り額なのか?
長くてすいません。結局 来年 どんな感じの計算や税金を求められるのでしょうか?
不安で寝れません。宜しくお願いします…
税理士の回答

鎌田浩司
住宅Aから引越しして3年目の売却でしょうか?
そうであるなら、3,000万円の特別控除が受けられるでしょう。
引越し後の用途は問いません。
その場合、住宅Bのローン控除との選択になり、昨年のローン控除を自己否認することと、今年以降のローン控除が受けられなくなります。
有利な方を選べます。

西野和志
国税OB税理士です。税務署では、譲渡所得税や相続税贈与税の担当部署の管理職をしておりました。
文章を読ませていただくとAの物件は、住まなくなって4年が経過しているように読めますので、一度文章を整理させてください。そのうえで、居住用財産の譲渡所得の特例(3000万円の特別控除)について説明を行いたいと思います。
①A物件を住まなくなった日
②B物件の購入日及び住宅ローンの金額
③売却の契約を行おうと思っている日(今年中なのか来年1月以降なのか)
④売却予定金額(だいたいでいいですが)
以上について、記載していただければお答えできます。
返事をさせて頂くこと、遅くなりましてすみません。お二人から 回答 頂いた事 驚いております。
まず、西野先生のおっしゃる事から〜
① 令和 元年 4/13 です。
② 令和 3年 9/2です。 金額は約 680万円(677万円)
③ 今年 令和4年 7/18
④ 約 2200万円 (2218万円) こんな感じとなります。
こんな お返事で 宜しいでしょうか?
それと、儲けたい…というよりは知識をつけたく…親が弱ってきており、やはり
両親の家の売却→老人ホーム代の捻出を考慮したい…そんな時の為に もし ご面倒でなければ
新たな質問 A 鎌田先生の おっしゃる「"住宅Aから引越しして"3年目の売却」この条件が変わると
申告書B?の書く数字、どんな風に変わるのでしょうか?
B 税務署さんで お聞きした「元の家の値段が分かる書類」があったら
何の数字がどう変わって 今回の住宅ローン申告書B どんな風に数字が
変わるものでしょうか?
家の事が こんなに大変だとは 思いませんでした。 自分の子供にも もし こういう事があったら力に
なってやりたいです。 知識を つけたいと思っています。 お仕事に差し支えない範囲で お教え下さい。

西野和志
まず、居住用財産の譲渡(3000万円の特別控除)の特例に関しては、住まなくなってから3年を経過する12月31日までに譲渡していますので、適用があります。
譲渡所得の計算
売却額 ― (取得費 + 譲渡費用)―特別控除=譲渡所得金額
2218万円-(110.9万円+73万円)―2034.1万円=0
取得費:買った時の値段。不明な時は、売却額の5%(例は5%で計算)
譲渡費用:仲介手数料など
このように計算します。
今回は、3000万円控除を使うと、住宅ローン控除を使うことができません。(有利な方をどちらか選択)
令和3年分の修正申告を行って、令和3年に還付してもらった税金を納めなおす必要があります。
不動産の引き渡しは、本年中には終わりますよね。なので、勤務先の年末調整には、住宅ローン控除の提出はしないでください。
来年の3月の確定申告の時期に令和4年分の確定申告が必要になります。

鎌田浩司
物件Aの譲渡(売却のこと)に対して、所有期間中の値上がり利益があると、所得税住民税がかかります。
この計算では、収入-原価-経費-特別控除=所得 という計算をします。
収入は売却額の2,200万円。
原価は昔買った値段です、なお、建物の値段は買ってから売るまでの期間の償却をした残りになります。
経費は、売るときに係った経費で仲介手数料や売買契約書の収入印紙代など。
特別控除には色々な種類がありますが、今回該当しそうなものは居住用の3,000万円です。
この計算で残りの金額が所得(譲渡所得)となり税金の対象です。
税金の計算は、給与や不動産などの他の所得と区別して行います。
このことを分離課税と呼んでいます。
譲渡所得の税率は、短期と長期で分かれます。
今年の譲渡では、取得したのが平成28年12月31日以前であれば長期となり、所得税と住民税で20.315%。
平成29年以後の取得は短期となり、39.63%の税率になります。
譲渡の所得金額の計算、つまり税金の計算では、先ほどの原価も重要です。
収入の2,200万円から原価(償却後)を差し引くわけですが、原価が不明の場合は収入の5%とすることができます。今回の場合には、110万円になります。
経費は仲介業者が介在していて仲介手数料があったとしたら、約79万円くらいかと思われます。
つぎに、居住用の3,000万円特別控除が最も重要です。
これに該当すると、原価や経費がいくらであろうとも収入金額が3,000万円の範囲内なので所得金額がゼロになり、課税されなくなるからです。
この控除は特例なので条件がありますので列挙してみます。
①所有者が住んでいたこと
②買主が他人であること(親戚でもOKな場合があります)
③住まなくなった場合は、住まなくなってから3年目の年末までに売却すること
④住まい専用であること(住まなくなる直前で判定)、一部が店舗や貸付など住まい以外の場合には床面積で按分して、住まいの部分を特定し、住まい以外の部分に対応する金額は特別控除の対象外になります
⑤3年に一度しか特例が受けられない、住まいを売却するのが初めてならOK
⑥譲渡の翌年の確定申告で、特例を受ける申告をすること
長くなったので、いったん終了します。

鎌田浩司
続き。
物件Aが3,000万円控除に該当するかどうかは、
① 建物の名義人が住んでいたかどうか
② 買主が親戚ではない(他人である)
③ 3年目の年末までの売却でOK
④ 以前は住まい専用だったかどうか
⑤ 過去3年内に特例を受けているかどうか
※蛇足ですが、売却までに建物を取り壊した場合には別途条件がありますが、今回は省略します。
これらに当てはまれば、3,000万円の控除が受けられます。
収入金額が3,000万円以内なのですが、原価や経費で細かく計算する必要が生じることがあります。
それは、国民健康保険に加入している場合。
お住いの市町村で異なりますが、特別控除をする前の金額で保険料を計算することがあります。ので、原価や経費を判明している金額で申告しないと損をすることになります。
次に、ローン控除と3,000万円控除の併用について。
ローン控除を受けている物件の譲渡について、3,000万円控除を受けることは併用できます。去年のローン控除を自己否認しなくても大丈夫です。
しかし、ローン控除がB物件で、A物件の譲渡で3,000万円控除の今回のようなケースでは、併用できません。どちらか有利な方を選択。
ローン控除は、毎年の借入金残高に対して令和3年の入居だと1%の控除です。
10年間と13年間がありますが、仮に残高680万円の1%×10年だとすると、控除額合計は68万円。
3,000万円控除を受けないとすると、
2,200万円-110万円-79万円=2,011万円、長期だとして20.315%で約408万円の納税額。
したがって、3,000万円の控除が断然有利です。
原価が不明で経費が79万円だと
2,200万円-110万円-79万円-2,011万円=0 という金額で申告します。
この場合には、令和3年分のローン控除を自己否認して控除額を納税する必要があります。
なお、今年以降のローン控除は放棄します。
すみません…お二人とも 非常に お詳しい説明を頂きまして…
迷いましたが、鎌田先生を。 本当に お二人には感謝します…
本投稿は、2022年10月15日 12時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。