部分交換の固定資産判断
お願いいたします。
建物(取得額約500万円)の出入り口の電動シャッターの「モーター」を、故障により原状と同じものに約40万円で取り替える場合、固定資産とすべきでしょうか。めったに取り替えるものではありませんが、建物の一部で判断に迷います。
宜しくご教授お願いします。
税理士の回答

寺尾諭
固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち、その固定資産の維持管理や原状回復のために要したと認められる部分の金額は、修繕費として支出した時に損金算入が認められます。
ご状況から電動シャッターのモーターは原状回復のために要したものと考えられますので、修繕費でよろしいかと存じます。
ご教示頂きましてありがとうございます。
迷いますことは、古くなってモーターを交換するような場合は使用期間の延長等で資本的支出とはしなくてよいものでしょうか。

寺尾諭
通達には以下のように記載されております。
その修理、改良等が固定資産の使用可能期間を延長させ、又は価値を増加させるものである場合は、その延長及び増加させる部分に対応する金額は、修繕費とはならず、資本的支出となります。
例えば、次のような支出は原則として修繕費にはならず資本的支出となります。
(1) ・・・
(2) ・・・
(3) 機械の部分品を特に品質や性能の高いものに取り替えた場合で、その取替えの金額のうち通常の取替えの金額を超える部分の金額
つまり、部品を特に品質の良いものや性能の高いものに取り換えた場合、かつ通常の取替の金額以上の部分を資本的支出とするとされています。
ご質問様は現状と同じ部品に交換されておりますので、現状回復であり通常の取替の金額といえます。ですから、使用期間を延長するものでなく、通常の金額以上でもないので、修繕費でよろしいかと存じます。
尚、ご参考までに、資本的支出か修繕費かで迷われた場合の判断基準は以下のようになっておりますので、今回の部品は金額的にも条件を満たしております。
一つの修理、改良などの金額のうちに、修繕費であるか資本的支出であるかが明らかでない金額がある場合には、次の基準によりその区分を行うことができます。
(1) その支出した金額が60万円未満のとき又はその支出した金額がその固定資産の前事業年度終了の時における取得価額のおおむね10%相当額以下であるときは修繕費とすることができます。
分かりやすいご回答を頂き有り難うございました。
使用期間の延長の部分の判断に苦慮しておりますが、税法上の耐用年数が過ぎた固定資産でも、まだ使えると判断されれば(物理的経済的な耐用年数が過ぎていない)、税法上の使用期間の延長には該当せず原状回復(=現在の状態でなく元の状態に回復)するのだから修繕費と判断する、と解釈することもできると認識してもいいのでしょうか。

寺尾諭
修繕費と資本的支出については判断根拠が明確でなく、国税庁の例示(基本通達7-8-1~)を順番に検討していくしかありませんので、悩まれるのも無理はありません。今回のケースでは資本的支出の例示にも当てはまりませんし、ご質問者様のご理解の通りでよろしいかと存じます。
国税庁HP(基本通達7-8-1~)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/hojin/07/07_08.htm
重ねての質問にご回答頂き有り難うございました。
本投稿は、2017年11月06日 19時17分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。