翌年売上分の外注工賃の支払い仕訳について
当方、個人事業主で住宅リフォーム等の仕事をしています。
現在、あるお客様で数ヵ月かかる工事をしています。
完全に工事が完了するのが翌年になりそうです。(売上計上が翌年予定)
ただ、すでに外注で一部工事が完了している部分があり、その外注先への支払いは年内に済む予定です。
ここで一つ疑問となったのが、年をまたぐ決算仕訳について教えて下さい。
例えば、今年材料を仕入れ年内に工事をしても、工事完了が翌年である場合、使用した材料については、一旦通常通り仕訳(【仕入高/買掛金 等】)はするものの、決算時に【仕掛品/期末商品製品棚卸高】の仕訳をきって、年内の仕入計上にはならないかと思います。
外注工賃をした場合はどうなるのでしょうか?
工事完了自体が翌年だとしても、年内の経費計上となるのでしょうか?
ご教授頂けたらと思います。
よろしくお願い致します。
税理士の回答

外注工賃の取り扱いについて、工事が年をまたぐ場合、以下のように処理するのが一般的です。
結論として、外注工賃に関しては、発生主義に基づいて支払いが実際に発生した年度の経費として計上します。しかし、年をまたいで工事が完了する場合には、進行している工事に関連するコストとして、工事原価の一部として扱い「仕掛品」勘定で資産計上します。そして工事が完了し売上を認識するタイミングで、売上原価に振り替えて計上します。
1. 外注費の支払い
外注先への支出は、支払いが行われた年の経費として認識します。ここでは「外注費」として処理することになります。例えば、外注費の支払いを借方に「外注費」、貸方に「現金預金」などで記録します。
2. 仕掛品の計上
決算時点では、工事が完了しておらず売上が計上されていない部分に関連する全てのコストは「仕掛品」として資産計上します。この処理により、未完成部分については翌期に繰越し、来期に売上と対応付けられる形にします。
3. 翌期の処理
翌期に工事が完了し、売上計上のタイミングで「仕掛品」から「売上原価」に振り替えを行い、正常な売上と原価対応がなされます。
この処理により、工事が完了した時点での売上と外注費が適切にマッチングするため、利益計算が正確に行われます。このようにすることで、税務上も適切な処理が行われ、決算書の信頼性も維持されます。
てい回答ありがとうございます。
外注工賃も【仕掛品】として決算期に計上するのですね。
先生の話を仕訳をいれて見ると、
1.外注先へ支払いは通常通り行う
外注費/現金預金
2.工事完了してない(売上未計上)のものは、決算仕訳で仕掛品として計上
仕掛品/期末仕掛品棚卸高
3.翌年、工事完了(売上計上)のタイミングで振り替える
期首仕掛品棚卸高/仕掛品
という認識で大丈夫でしょうか?

外注工賃を含む未完成工事の経費に関する会計処理について、質問者様の認識は基本的に正しいです。ただし、2と3の仕訳についてもう少し具体的にお答えします。
1. 外注先への支払い
外注費が発生したタイミングで次のように記録します。
借方: 外注費/貸方: 現金預金
2. 決算時未完成工事の計上(仕掛品処理)
未完成となっている工事に対する費用を「仕掛品」として資産計上します。ここでの仕訳は、製造等原価などの直接費用をすべて「仕掛品」として振り替えます。
借方: 仕掛品/貸方: 外注費
ここで「期末仕掛品棚卸高」という勘定をそのまま使うかどうかは、会計方針による部分もあります。通常、仕掛品として一括して処理されるケースが多いです。
3. 工事完了時の対応
翌期に工事が完了し売上が計上されるタイミングで、「仕掛品」を「売上原価」として振り替えます。
借方: 売上原価/貸方: 仕掛品
丁寧にありがとうございます。
先生の場合、
【仕掛品/外注費】→【売上原価/仕掛品】
という流れでされるとの事ですが、【売上原価】の科目を使うのは、決算仕訳で【仕掛品/外注費】で行った場合のみですか?
決算仕訳で【期末仕掛品棚卸高】できった場合は、翌年の振替時は【期首仕掛品棚卸高】の科目を使用するのでしょうか?

決算仕訳で【期末仕掛品棚卸高】できった場合は、翌年の振替時は【期首仕掛品棚卸高】の科目を使用するのでしょうか?
↓
おっしゃる通りです。期末仕掛品棚卸高をご使用ください。
色々と丁寧に説明頂き、ありがとうございました!
本投稿は、2024年11月25日 02時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。