法人(代表取締役:夫)から個人事業主(生計を一にする者:妻)への外注費の取り扱い
◆背景
株式会社にてITコンサル会社経営しています。会社はまだ小さく構成される社員は下記の通りです。(法人名を仮にA社とします)
・代表取締役:当方
・従業員:妻(社会保険等に加入)および大学生アルバイト
妻は、A社において会計処理やファイリングなどの補助業務を日常業務としていますが、
今後、ITエンジニア(個人事業主)としても独立することを考えてます。
A社は、妻にA社従業員としての最低限の日常業務を継続してもらいつつ、受託案件を業務委託として発注したいと考えています。
◆質問内容
1)当該外注費は、A社の損金として計上できるでしょうか。
2)否認される可能性がある場合、どのようにすれば回避可能でしょうか。
税理士の回答

前提として、従業員は雇用契約を結びます、外注は請負契約を結びます。雇用契約は指揮命令系統は会社にあり、会社の判断で仕事を行います。一方、請負契約は仕事の完成を約束します。仮に、仕事が完成しなかった場合、雇用契約では、指揮監督を行った会社の責任になります。他方、請負契約では、仕事の完成を約束しますので、外注先の責任になります。従業員と外注で似たようにも見えますが、そもそも契約の目的が異なることをご認識ください。
外注費として損金計上するのであれば、契約関係を明確にすることは必須かと考えます。前述のとおり、外注の請負契約は仕事の完成を目的とします。いつまでに、何を完成させるのか、外注契約の目的は何なのか明らかにする必要が有ります。雇用契約の整備も必須で、雇用契約の形態、勤務時間の明記、またタイムカード等での労働時間の管理も必須かと思われます。雇用契約上の勤務時間内に外注の仕事をしていると、明確ではないと考えられれます。
一人の人間を雇用と外注で綺麗に切り分けるのは、難しいかと考えます。形式は完全にしておく必要があろうかと考えます。
給与であっても、外注費であっても、仕事の対価としての支払に経費性がないとは、言いずらいと考えます(金額が不当に高い場合を除く)。支払の実態が給与なのか、外注費なのかは論点になろうかと思われます。外注費のつもりで支払ったつもりが、給与と認定されると源泉徴収もれ、個人事業者側で事業経費計上が認められないなどが考えられます。
ご丁寧にご回答いただき、大変ありがとうございました。雇用契約および請負契約が客観的にみても完全に分離した状態め締結できており、その実態が伴っているぎポイントなのですね。まずはら法令等で明確に否認されていないようで一安心しました。
本投稿は、2020年02月05日 13時04分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。