債権の譲渡について
中小企業の会社で経理を担当している初心者です。
A社に対して1000万円ほどの貸付金があるのですが、関係上回収が難しそうなので、弊社と繋がりの深いB氏に債権を譲渡することにしました。
B氏に即金で1000万円をもらえないので、こちらも短期貸付金、または前渡金で処理しようと思っています。
この場合
B氏への貸付金 1000万 / A社への貸付金 1000万
または
B氏への前渡金 1000万 / A社への貸付金 1000万
の処理は正しいでしょうか?
また、この処理のために必要な証憑は何があるでしょうか?
税理士の回答

B氏への貸付金 1000万 / A社への貸付金 1000万で処理してください。
必要な証憑はA社へ債権をB氏に譲渡した旨の通知書(控)、B氏との金銭消費貸借契約書などです。

新木淳彦
こんにちは。
会計処理としましては、特に問題は無いと思います。
ただし、ここで会計処理とは別の疑問が出てきます。
A社とB氏との関係性です。
通常で行けば、債権譲渡する場合は、質問者様の考えの通り、本来の差権者の財産状態が芳しくなく、回収できそうにないので、第三者にその保有する債権額を譲渡するというものです。この場合に、債権額1,000万円を500万円で譲渡するとかで、B氏にある程度の旨味が発生するものですが、今回のケースでは、その旨味がありません。何故でしょうか?
次の質問ですが、必要な証憑はなにがあるかというものですが、
これには御社とB氏との間で債権譲渡契約書が必要となります。できれば、公証人による公正証書又は確定日付による契約書が好ましいです。
加えて、A社へは債権を譲渡した旨の通知書の発送が必要となります。
これについては、内容証明郵便・配達証明郵便で送付すれば良いでしょう。
ご検討をお願いします。
荒木様
こんにちは。ご丁寧なお返事をいただきありがとうございます。
この場合に、債権額1,000万円を500万円で譲渡するとかで、B氏にある程度の旨味が発生するものですが、今回のケースでは、その旨味がありません。何故でしょうか?
こちらですが、私が金額をそのまま譲渡すべきだと思い込んで質問していましたが、弊社とB氏がどのように話を進めているかまだ把握しておりません。
仮にB氏に500万円で1000万円を譲渡した場合、
短期貸付 B氏 500万 / 短期貸付 A社 1000万
〇〇 500万
↑この〇〇にはなにが入るのでしょうか?
また、この場合、B氏になにかしらの税金がかかることなどはあるのでしょうか?

新木淳彦
こんにちは。
相談者様が考えられておりますように、理想は1,000万円の債権を1,000万円で譲渡出来れば損失も生じないので、それが理想であると思います。ですが、B氏からすると、A社から確実に債権額1,000万円を回収できるかどうか不安でもあり、リスクも生じます。そのリスクを軽減するため、あるいは安心を得るため、A社への債権回収手間を考慮して1,000万円より安い金額で債権を購入するわけです。
さて、そこで御社の仕分けですが、仮に500万円で1,000万円の債権を譲渡した場合、○○に入る科目は、債権譲渡損という科目で宜しいかと思います。
次に、B氏に何かしらの税金がかかるかとの質問ですが、B氏がA社より1,000万円の債権額を回収した時点で税金がかかります。
単純に考えれば、500万円で取得したものが、1,000万円になれば500万円の儲けが出ますので理解できると思います。
今回の500万円という金額は、あくまでも説明のために仮定した金額ですから、実際には御社とB氏との間で十分な協議をした結果で決めるべきだと思います。
特に御社の場合、1,000万円の債権額を減額して売却すれば、当然の事ながら損失が発生しますので、相当な理由が必要となります。
前回も書きましたが、そういう意味でも、公正証書等による契約書及びA社に対する債権譲渡通知等を必ず作成し通知して下さい。
これを怠りますと、後の税務調査や、A社との間にトラブルが発生する可能性もあります。
慎重な対応をお願いいたします。
ご丁寧で、とてもわかりやすいお返事をいただきましてありがとうございました。
慎重に進めてまいります。
本投稿は、2021年07月27日 11時24分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。