開業前の期首在庫について
個人事業で青色申告をする予定です。
開業前の期首在庫についてお聞きしたいことがあります。
ポットで種や苗で植物を栽培してネット販売をしていくのですが、開業前に苗の在庫を既に抱えています。
①税務署に相談したところ、期首在庫は0で、開業日の日付で仕入高として計上して大丈夫とのことだったとのですが、この時の仕入高に対する勘定科目は「事業主貸」で大丈夫でしょうか?
②また在庫の仕入高に計上する金額は、一つの苗を作るのに掛かった原価を出してあるので、その原価×個数の金額で問題ないでしょうか。領収書はその在庫を作る時に関係するものをまとめておけば大丈夫でしょうか。例えば土を購入して使うのですが、丸々その土を材料として使ったわけではないので、使用した分だけ仕入れ高として計上するような形です。
拙い説明ですが、ご指導のほどよろしくお願いします。
税理士の回答

新木淳彦
こんにちは。
まず、①の件ですが、仕入れに対する反対科目は「事業主借」という科目になります。もしも相談者様が、「事業主貸」と「事業主借」の2つの科目が存在することが面倒ということであれば、「事業主勘定」という科目でも構いません。
次に、②の質問の件ですが、原価の内訳によると思います。あくまでも、仕入として処理を最初に行いますので、第三者に支払った金額を計上するべきです。「原価」となりますと、相談者様自身や他人従業員様の人件費、減価償却費等を加味した金額の意味合いがあります。確かに在庫に計上するときは、このような計算をすることは重要となりますが、今回はあくまでも「仕入」として会計処理するわけですから支払った金額について仕訳します。
例えば、土を購入して使うとの事ですが、仕訳では土の購入費全額を仕入に仕分けします。そして期末に余剰となっている土などを在庫に計上するような形になります。
最初は、あくまでも仕入として処理しますので、難しく考えずに支払った金額を計上して下さい。その上で、期末に使用しなかった部分を金額に換算して在庫として仕訳を起こしてくだされば、それで問題はありません。
ご検討をよろしくお願いいたします。
ご返答ありがとうございます。
分かりやすいご説明で助かりました。
もう一つだけご質問よろしいでしょうか。
②の事業開始前の在庫の金額なのですが、開業前に土を一袋50L¥1,000で仕入れていて、そのうちの20L¥400は事業とは無関係の別のことに使用しており、開業後の今は製品と在庫分で合わせて30L¥600が残っています。
この場合は領収書には¥1,000と記載されていますが、実際今手元にある在庫分の、¥600円を仕入高として計上しても問題ないでしょうか。
もし領収書と同じように¥1,000と仕入高を記帳した方がいい場合は、20L¥400分はどのように処理したら良いのでしょうか。
ややこしくて申し訳ないです。

新木淳彦
こんにちは。
回答が遅くなり申し訳ありません。
早速回答していきましよう。
まず、600円を仕入とする場合の処理としまして、1,000円の領収書余白に、600円を事業用として仕入れ、400円分については非事業用にて使用した、と記入しておけばそれでOKです。
次に、1,000円を仕入高として処理した場合には、処理した同日で、次の仕訳を起伝して下さい。
借方 / 貸方
事業主貸 400円(家事使用)/ 仕入高 400円(家事使用)
上記の仕訳をすれば、期間損益的には600円だけが経費となります。
ご検討をお願いいたします。
ご回答ありがとうございます。
理解できました。
大変わかりやすく、本当に助かりました。
ありがとうございました。
本投稿は、2021年08月20日 12時15分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。