貸倒損失金処理について
少額ですが借用書を取らずに社員に貸し付けてしまいましたが回収不能になりました。貸し付けた証拠書類が無いのですが貸倒損失金処理ができますか。また、どのように処理すれば宜しいでしょうか。
税理士の回答
社員(従業員)さんであれば、給与から天引き等して回収ができると思われますので、貸し倒れ処理は難しいと思います。
もし、回収を放棄する場合には給与(賞与)扱いになると考えます。
有難うございます。社員は行方不明になったのですが本人の了承なしに給与天引きできるのでしょうか。何分口約束で証拠書類が無いもので。金額は1万2千円強の少額です。

貸し倒れの要件を充たせば、損金に出来ますが、以下の要件は充たすことが困難でしょうか。
であれば、貸付金として残しておく。
或は、自己否認の上貸倒する、ということになろうかとは存じます。
1 金銭債権が切り捨てられた場合
次に掲げるような事実に基づいて切り捨てられた金額は、その事実が生じた事業年度の損金の額に算入されます。
(1) 会社更生法、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律、会社法、民事再生法の規定により切り捨てられた金額
(2) 法令の規定による整理手続によらない債権者集会の協議決定及び行政機関や金融機関などのあっせんによる協議で、合理的な基準によって切り捨てられた金額
(3) 債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、その金銭債権の弁済を受けることができない場合に、その債務者に対して、書面で明らかにした債務免除額
2 金銭債権の全額が回収不能となった場合
債務者の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかになった場合は、その明らかになった事業年度において貸倒れとして損金経理することができます。ただし担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ損金経理はできません。
なお、保証債務は現実に履行した後でなければ貸倒れの対象とすることはできません。

法的には天引きできないため、未払給与があれば、貸付金分の支払保留と思います。
その後、本人と連絡がつけば、同意を得て、相殺処理が可能です。
本投稿は、2018年07月31日 08時58分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。