グループ法人間の資産譲渡損について
当法人(5月決算)は個人A氏が株式を100%保有している会社ですが、3年前にA氏が株式を100%保有するもう一つの法人B社(11月決算)に土地・建物を譲渡し、譲渡損が出ました。
グループ法人間の取引となるため、この譲渡損は損金には参入せず繰り延べてきましたが、昨年11月にA氏は保有していた法人Bの株式を全て第三者に譲渡しました。
この場合、当社は繰り延べてきた譲渡損を今期の決算において全て損金に入れることになるのでしょうか?
よろしくお願い致します。
税理士の回答
譲渡法人が譲受法人との間で完全支配関係を有しないこととなった場合に該当しますので、譲渡損益の再計上が必要です。
土地の譲渡損益はそのまま損金又は益金になりますが、建物(減価償却資産)は以下の計算で調整します。
①原則法 譲渡損益×譲受法人の償却費の損金算入額/譲受法人の取得価額
②簡便法 譲渡損益×譲受法人の事業年度の月数/譲受法人が適用した耐用年数×12
譲渡益の場合は①と②の少ない金額を益金に再計上、譲渡損の場合は①と②の多い金額を損金に再計上
要するに、減価償却資産は譲受法人における減価償却費(グループ全体としての減価償却費)を勘案して譲渡損益の戻入再計上をする必要があるということです。
前田先生
ご丁寧にご回答いただき、ありがとうございました。
本投稿は、2021年04月16日 11時09分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。