架空外注費について
社長を交代し、過去の帳簿を確認していたところ、前社長が指示したと思われる架空外注費を発見しました。
前社長は、当社のほかにも会社を所有しておりますが、そちらに外注費を支払っていました。年一回を数年間支払っており、最後の支払いから4年経過しています。源泉徴収も行い、税金も支払っているため、表向きの帳簿上は、辻褄が合っているとも言えるのですが・・・
しかし、当社からその会社に業務を外注したことは過去にないことや、外注に関する注文書や請書には、社印や担当者による社内承認印が押されてないことから、架空外注費であると考えております。
①架空外注費を取り戻すには、どのようにしたらよいのでしょうか?
②当社で契約している顧問税理士がおり、月々の決算、決算書の作成などをお願いしています。決算書作成する際に気が付かないものなのでしょうか?税理士の責任追及などはできるのでしょうか?
税理士の回答

①架空外注費を取り戻すには、前社長に問題点を指摘し返還を求めます。応じない場合は訴訟ということになります。
②顧問税理士には善管注意義務があり、月々の決算、決算書の作成など不正計算を発見した場合には指導する義務があります。税理士の責任追及は、関与度合いや関与報酬等総合的に判断する必要があります。

新木淳彦
こんにちは。
まずは慎重に対応をされるべきです。一歩間違えるととんでもない騒ぎに巻き込まれてしまいます。
事実確認を行ってください。
外注費を支払っているとの事ですから、その成果物の内容を確認する必要があります。
疑いのある外注は、その業務内容は必要とされたものかどうか。その業務が行われなければ、成果物は存在しないか、それとも存在するのか、判断が重要です。また、その外注は工場で加工されたものなのか、現場で行われるものなのかの判断も必要です。
もしも現場で行われる外注であれば、第三者の証人も出てきますが、工場でとなりますと、第三者の証人を見つけることは不可能に近いと思われます。
そうなりますと、外注費で支払われた内容を実証するしか術はありません。
また、架空であると判断できたばあいには、株主訴訟とか、特別背任の施金問題が浮上してくるでしょう。そうなりますと、相手方も素直にその事実を見富まない限り、名誉棄損などの反訴も考えられますので最終的には裁判沙汰にまで及ぶ可能性もありますので慎重に進めるべきです。
次に、依頼している顧問税理士が気が付かないのはおかしいと思っていらっしゃるから、税理士への責任追及という話になってくるのだと思いますが、この問題も非常にナイーブな問題です。
我々税理士は、あらゆるお客様と個々の契約によります。その契約により、例えば提供された資料だけで決算を行ってもらえればよいとする企業さんも実際にはあります。そうなりますと、企業側から提供されなければ、そこは不明となりますね。
また、膨大な資料の中から「あら」を探すような業務は税務署にお任せして、本来は信頼関係の上に成り立っていると考えているケースが殆どです。逆にぎちぎちと決算を進めていきますと、税務署の味方かと言われることもしばしばあります。
一番は、その税理士が架空請求であることを認識していたかどうかで判断されるのが一番かと思います。
ご検討をお願いいたします。
本投稿は、2021年09月01日 14時51分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。