みなし配当金の益金不算入との差額
【みなし配当金の益金不算入について】
主役はX社です。
・X社が個人AよりZ社の株式を80,000千円で取得。この取得によりX社はZ社の株式80%超保有。
・X社がこの株式をZ社に100,000千円で売却。Z社は自己株式に取得になるため、資本金(5,000千円)との差額がみなし配当金となる。Z社より支払調書もあり。
※X社の仕訳
現金 100,000 / 株式 80,000
譲渡損 75,000 / みなし配当 95,000
自己株式の取得によるみなし配当についても益金不算入の規定が適用されるため、
このみなし配当についても全額益金不算入。差額を譲渡損として計上せざるを得ないため、20,000千円も得して売っているのに、会計上は20,000千円の利益だが、税務上は75,000円の損失だけ計上されることになる。この理解で正しいでしょうか。
皆様のお知恵を拝借できれば幸甚でございます。
税理士の回答

シーズ税理士の畠と申します。
御相談の内容ですが、
税務上は75,000円の損失だけ計上されることになる。
貸方にみなし配当95Mを計上されてますので損益としては税会一致になっていませんでしょうか?
そのうえで益金不算入額を算出することになりますが、御相談の前提ですと完全支配関係は無く関連法人株式等に該当するものと存じますので、「配当等の額-負債利子の額」が益金不算入になるものと考えられます。

池田康廣
みなし配当に係る源泉所得税 95,000千円×20.42%=19,399千円を計上し、
現金 80,601千円 有価証券 80,000千円
仮払税金 19,399千円 有価証券売却益 20,000千円
とすべきではないでしょうか。
>池田先生
ご回答有難うございます。
源泉税は便宜上割愛しておりました。
ところで、みなし配当金については考慮しておりませんが、益金不算入については如何お考えでしょうか?さらに配当金の仕訳なく仮払税金だけが立つこともご説明頂けますと幸いですり
>畠先生
ご回答有難うございます。
負債利子の額についても有難うございます
'みなし配当95Mを計上されてますので損益としては税会一致になっていませんでしょうか?,
みなし配当は税務上益金算入されない理解ですので、不一致かと考えておりますが如何でしょうか?

池田康廣
X社からみれば株式を譲渡したことになるだけで、譲受者がたまたま株式発行会社であっただけです。益金不算入については決算期末の税務調理で行うのではないでしょうか?「みなし配当」となっているとおり自己株式の取得による対価のうち、額面金額(資本金)を控除した金額を「配当」とみなしているにすぎません。このため、売買価額と額面の差額に対する源泉所得税が発生します。実質は譲渡益です。X社からみれば、Z社は株式の譲渡先です。
池田先生、有難うございます。
益金不算入の税務処理について承知致しました。
この場合の益金不算入は95,000千円を別表上だけで処理するのでしょうか?
つまり、会計上で20,000千円の利益を認識して、税務処理で95,000千円の利益を消す?という処理の理解で正しいでしょうか?

池田康廣
申し訳ございません。仕訳の訂正です。
現金 80,601,000 有価証券 80,000,000
租税公課 19,399,000 受取配当 95,000,000
有価証券売却損 75,000,000
* X社は自己株式取得ではないので、勘定科目は「みなし配当」ではあ
りません。
上記のとおりとしたうえで、法人税の申告において、法人税申告書別表4「所得の金額の計算に関する明細書」(「14」受取配当の益金不算入額」)及び別表8(1)「受取配当の益金不算入に関する明細書」を記載することになります。
本投稿は、2022年04月25日 13時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。