施設に入っている両親の株を売却したい
父が今年施設に入所し、父の株を売却して施設費用に充てたいです。
本人が窓口に出向いて処理することは無理なので、
息子の私が代理で売却したいと考えてます。
1.どういったアプローチで進めていけばいいのでしょうか?
ハガキでくる持ち株数ぐらいしか把握してないです。
一度母が窓口に連絡したのですが、本人が窓口に来られないと
代理売却は無理だと言われました。
私が株を保有したことが無いので、売却後の税金、生前贈与等
一番いい方法を判断できない状態です。
気になっているのが、父も最近物忘れがあり
口座を凍結させられてしまうのではないかと大変気がかりです。
一度役所に連絡しましたが
相談は一人30分と短く、到底1回では終わらないと
まだ予約してないです。
よろしくお願い致します。
税理士の回答

小川真文
ご相談内容からはお父様のお身体の状況が不明ですので判断が難しいと考えますが、「成年後見制度」と「家族信託」の選択肢があると思います。
「成年後見制度」とは、認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり、遺産分割の協議をしたりする必要があっても、自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また、自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい、悪質商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援するのが成年後見制度です。
これには本人が十分な判断能力を有する時に、あらかじめ、任意後見人となる方や将来その方に委任する事務(本人の生活、療養看護及び財産管理に関する事務)の内容を定めておき、本人の判断能力が不十分になった後に、任意後見人がこれらの事務を本人に代わって行う制度と、本人の判断能力が不十分になった後に、家庭裁判所によって選任された成年後見人等が本人を法律的に支援する制度があります。
一方「家族信託」とは、一言でいうと財産管理の一手法です。 資産を持つ方が、特定の目的(例えば「自分の老後の生活・介護等に必要な資金の管理及び給付」等)に従って、その保有する不動産・預貯金等の資産を信頼できる家族に託し、その管理・処分を任せる仕組みです。家族信託の基本的な仕組みは、「委託者」「受託者」「受益者」の3者から成り立ちます。「委託者」は、財産のもともとの所有者で、財産を信託する人、「受託者」は、財産の管理運用処分を任される人、「受益者」は、財産権を持ち、財産から利益を受ける人となります。委託者が財産の管理を受託者に任せ、その財産を受託者が管理し、その財産から発生した利益を受益者が得る仕組みになっています。家族信託では親のために子が財産を管理し、利益は所有者である親が得るなど、委託者と受益者が同じ人になることがほとんどです。
いずれにしても、詳細な内容や手続きについては専門家のアドバイス等が必要と考えますので、信用できる弁護士や司法書士あるいは税理士の方にご相談頂くことをお勧めします。
本投稿は、2023年10月12日 20時53分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。