著作権を譲渡した場合の税の支払者について
これまで執筆により収入を得ていたのですが、このたび会社から副業禁止との指摘を受けてしまい、困っています。
このため著作権を妻に譲渡して、著作権使用料(印税)契約を妻名義で今後行うことを検討しています。
ただ、この場合、実質所得者課税の原則が関係し、契約そのものが行えないのでは……と考えている次第です。
その上でご相談です。
①著作権譲渡契約を妻と書面により締結し、出版社との契約及び支払先(振込先口座)を妻名義とすれば、国税庁の通達にある「その収益の基因となる資産の真実の権利者」であると考えてよいでしょうか?
②上記①で妻が当該真実の権利者だとするならば、実質所得者課税の原則から考えて妻がの所得であり納税者であることが妥当と考えることはできるでしょうか?
③上記①であっても当該真実の権利者が私であるとするならば、例えば出版社契約及び支払先を妻とし、納税者を私とすることは税法上問題ないでしょうか?
ご回答のほど、よろしくお願いします。
税理士の回答

石割由紀人
① 著作権譲渡契約を書面で締結し、出版社との契約や支払先を妻名義にしても、必ずしも妻が「真実の権利者」とは断定できません。 実質所得者課税の原則では、形式だけでなく、著作物の創作活動への関与、譲渡対価、印税の使途などを総合的に考慮して判断されます。
② もし妻が「真実の権利者」と判断されれば、印税は妻の所得となり、妻が納税者となることが妥当です。ただし、妻が印税を自由に使える状態であることが重要です。
③ もしご質問者様が「真実の権利者」と判断される場合、出版社との契約や支払先を妻名義にしても、印税はご質問者様の所得として課税されます。この場合、ご質問者様が納税者となることは税法上問題ありません。ただし、妻名義の口座に振り込まれた印税の管理・使用状況によっては、贈与税の問題が発生する可能性もあります。
本投稿は、2025年01月06日 21時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。