料理教室のアシスタントを雇った場合の雇用形態や支払いに関する相談
料理教室のアシスタントを月に2.3回雇う場合、雇用形態をパートやアルバイトではなく、業務委託にすることは可能でしょうか。都度指示した作業をしてもらったり、場所や時間の縛りがあるとできないのでしょうか。
どのような雇用形態がベストでしょうか。
また、雇う場合の手続き、支払い時の注意点についても教えていただきたいです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答

料理教室のアシスタントを月に2〜3回雇う場合、業務委託という形態を選択することは可能です。ただし、業務委託とするためには、労働基準法上の労働関係の定義に沿わない働き方である必要があります。具体的には、業務委託契約では、労働者に対して業務の遂行方法や勤務時間、場所を指示することはできず、自由度が高い働き方が求められます。以下に詳細を示します。
業務委託契約の条件
1. 独立性
業務の遂行に対する指示がなく、自分の裁量で仕事をすることが求められます。これは、時間や場所に縛られず、成果物のみを取り決めに基づき納品する業務形態です。
2. 報酬
時間に対する報酬ではなく、成果に対して報酬が支払われる形です。例えば、1回のアシスタント業務に対する契約報酬という形での支払いが適しています。
3. 労働者性の排除
業務委託の場合、基本的には労働者ではなく個人事業主やフリーランスとしての取り扱いになるため、労働者性のある指示は控える必要があります。
雇用形態の選択
- パート・アルバイト
特定の作業指示や場所、時間の拘束がある場合はこちらの方が適しています。法的には雇用契約となり、労働時間に対する保障が必要です。
- 業務委託
業務の自由度が高く、特定の作業指示がない場合に有効ですが、契約上、労働基準法が適用されない代わりに自ら事業者としての責任が伴います。
雇用の際の手続き
1. 契約書の作成
雇用契約または業務委託契約のいずれにおいても、双方の権利義務を明確にするために契約書を作成します。
2. 支払いの明確化
支払い方法(銀行振込、現金など)、報酬の内容(時給または成果報酬)、支払いサイクル(月末締め翌月払いなど)を明記します。
3. 社会保険と源泉徴収
雇用契約の場合は適用を考慮する必要がありますが、業務委託の場合、報酬額に応じて源泉徴収が必要となる場合があるため、税務署への届け出が必要です。
支払い時の注意点
- **源泉徴収
業務委託契約の支払い時には、所得税の源泉徴収義務がある場合があります。報酬額が一定以上の場合、支払時に所得税を源泉徴収し、税務署に納付します。
- 消費税
業務委託として支払う場合、消費税の取り扱いも確認が必要です。報酬が税込みか税抜きかを明確にします。
早速ご回答いただきありがとうございます。
業務の遂行方法や勤務時間、場所を指示することはできないとなると、今回考えているアシスタントの業務は難しいと思います。ですので、やはりパートアルバイトが適しているとわかりました。
報酬額は1回1万弱、月2万ほどかと思います。源泉徴収は必要でしょうか。また、社会保険は不要かと思いますが、労災保険は入らなくてはいけないでしょうか。

料理教室のアシスタントをパートやアルバイトとして雇用する場合には、以下のような税務および保険に関する考慮点があります。
源泉徴収について
- 源泉徴収の対象
パートやアルバイトでも、他の一般の社員と同様に源泉徴収が必要です。源泉徴収税額は「給与所得者の扶養控除等申告書」の提出の有無、および給与の支給方法に基づき、「給与所得の源泉徴収税額表」の適切な欄(甲欄、乙欄、または丙欄)を使用して計算されます。
- 計算方法
- 「扶養控除等申告書」が提出されている場合は「甲欄」を、提出されていない場合は「乙欄」を用います。
- 短期雇用(2か月以内)や日雇いの場合で給与が定まっている条件では「丙欄」が使われます。
- 低額報酬の源泉徴収
給与が非常に低い(月に2万円程度)の場合、甲欄であれば源泉徴収額が発生しない可能性も高いです。ただし、具体的な支給額と控除対象によって異なるため、詳細な計算が必要です。
労災保険について
- 加入義務
雇用形態にかかわらず、1人でも労働者を雇用する場合は労災保険への加入が義務付けられています。パートやアルバイトも含め、すべての労働者に適用されます。これは、労働者の安全を確保するための基本的な制度です。
社会保険について
- 適用要件
社会保険(健康保険、厚生年金)は、一般的には一定の所定労働時間および日数要件を満たす場合に適用されます。週の所定労働時間が20時間未満であれば社会保険の加入義務は無いことが多いです。
以上を踏まえると、労災保険については必須で加入が必要であり、源泉徴収については業務の内容やアシスタントの他の収入状況などに基づいて具体的な計算が必要です。
本投稿は、2024年10月05日 12時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。