棚卸調整について
決算前に仕入れの前払い金を支払いました。
今期は免税、翌期は課税事業者です。
この場合、前払い金計上時は消費税対象外、翌期の商品取得時に、消費税を認識する形で問題ないでしょうか。
また、決算前にサービス提供完了している商品の加工代金は、まだ売上がたっていないので、全額棚卸計上で、消費税は免税なので認識しないと思います。この場合は来期で消費税を認識する形で問題無いですか。
ちなみに、加工代金を原価(棚卸)としない場合は、消費税の調整も出来ずに損をするということでしょうか。
税理士の回答

この場合、前払い金計上時は消費税対象外、翌期の商品取得時に、消費税を認識する形で問題ないでしょうか。
正しいので一切問題はない。
また、決算前にサービス提供完了している商品の加工代金は、まだ売上がたっていないので、全額棚卸計上で、消費税は免税なので認識しないと思います。この場合は来期で消費税を認識する形で問題無いですか。
棚卸については、来期課税事業者になったときに消費税を認識して、控除できる。
ちなみに、加工代金を原価(棚卸)としない場合は、消費税の調整も出来ずに損をするということでしょうか。
そうです。したほうが得です。

結論から言うと、以下の考え方で大きく問題ありませんが、加工代金の扱い次第で消費税額に差が出ます。
1. 決算前の仕入前払金(翌期に商品取得)
免税事業者期間中(当期)に支払った前払金は、
免税期間のため消費税の仕入税額控除の対象外です(=消費税を認識しない)。
翌期に商品を受け取った時点で仕入計上し、課税事業者であればその時点の消費税を仕入税額控除できます。
つまり、前払金計上時は消費税対象外で
翌期の商品受入時は消費税を認識して仕入税額控除で問題ありません。
2. 加工代金(決算前にサービス提供完了)
加工代金は「サービス提供完了時」に課税仕入が成立します。決算前(免税期間)にサービスが完了している場合、たとえまだ売上計上していなくても 仕入税額控除はできません(免税事業者期間の取引だから)。
棚卸資産計上しても、「その棚卸に含まれる加工費部分の消費税を来期に仕入税額控除する」ことは原則できません。
3. 「原価(棚卸)としない場合」の損得
加工代金を棚卸資産の取得原価に含めるかどうかは、会計処理上の原則に従います。
しかし、免税期間に発生した加工費部分は、どのみち消費税の仕入控除対象にはならないので、棚卸に入れない=翌期に売上原価計上する でも、消費税的には控除が発生せず「損」になります。
つまり、棚卸計上するか否かで消費税額控除の可否は変わらず、「免税期間中に完了したサービス費用の消費税は控除できない」という結論です。
本投稿は、2025年08月12日 15時50分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。