賄いって無料にできる?
小規模保育園に勤務しているものです。
私の園では職員に無料で給食を提供しています。
他の園では月5000円や一食300円など、食事代が徴収されているようなのですが、賄い無料は違法ではないのでしょうか?
税理士の回答

長谷川文男
労働基準法上の賃金を賄いという現物で支給すれば現金支払いの原則に違反し違反の疑いがありますが、福利厚生の一環として行えば違法ではありません。ただし賃金ではありませんので、最低賃金の計算には入りません。
また、所得税法では、現物給与になり経済的利益として課税する必要があります。
健康保険等も考え方は同じですが、金額が定められていて、報酬扱いです。
回答いただきありがとうございます。
インターネットなどで調べてみると、まかないを福利厚生にするには、従業員が食事代の価額の半分以上を負担していること・従業員に支給した食事について、使用者が負担した金額が一カ月あたり3,500円以下であることと書かれているものが多いのですが、無料でも大丈夫ですか?

長谷川文男
無料だと、会社が負担した全額を現物給与として課税することになります。
健康保険も同様の取扱いですが、金額が定められています。
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150511.files/2021.pdf
ただし、無料で提供すること自体は、違法ではありません。
通達で規定している個人負担が半額以上で、月額3500円以下は会社が負担した金額を課税しない取扱いをする場合です。
所得税の最高税率45%は、4,000万円超ですから、半額負担で会社負担額が課税されない場合より、無料で食事を提供してもらった場合の方が、従業員としては現物給与として課税されても有利になる場合がほとんどだと思います。
繰り返しますが、従業員にとっては食事代が現物給与として課税されますが無償で提供された方が有利です。また、賃金とは他に無料で食事を提供することは違法ではありません。
なお、労働協約等があれば、食事を賃金の一部(現物給与)として支払うことも認められます。

長谷川文男
会社が負担した食事代の一部が課税されない取扱いの相談なら回答は別になりますが、ご相談が、違法かとのことなので、前述のようになります。
違法ではありません。
ただし、賃金の一部として支払うためには、賃金の現金払いの原則に反しますので、労働協約等の条件が必要になります。
違法ではないなら安心です。ありがとうございました!
本投稿は、2021年05月20日 22時14分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。