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制作済み作品の仕訳について

開業前から、お店に委託販売している作品があります。
売上もほとんどない状態でしたが、
今年開業届を出しているので仕訳の方にも記入をしないといけないと思いますが、
どのように記入したいいのかわからず困っております

①開業時の仕訳記入 (お店て展示販売中のものが10万分ある時)
②年内に作品が売れた時の仕訳(例えば1万円の作品が売れた時)
③年末の在庫分の仕訳

どうぞよろしくお願いいたします。

税理士の回答

 委託販売とは、商品の販売を第三者(受託者)に依頼し、受託者が顧客に販売し、手数料を支払う商品販売形態です。

①開業時の仕訳記入 (お店て展示販売中のものが10万分ある時)

 受託者が販売しないで所有している商品は「積送品」として委託者の貸借対照表に計上されます。(「積送品」は、委託先に販売委託しているする商品について、自分が保有管理している一般の商品と区別するために使用される勘定科目です。)

開業時の在庫は期首の積送品として事業主勘定で処理します。

(期首)積送品 100,000円 / 事業主貸 100,000円

(「お店て展示販売中のものが10万分」→「委託先で展示販売中の商品評価額が10万円」)
(この在庫の評価額については、展示販売中とされている制作済み作品の原価、つまり原材料等の合計相当額になります。売価ではありませんので作品1件当たりの制作費用を計算する必要がありますが、暫定的に10万円としています)

②年内に作品が売れた時の仕訳(例えば1万円の作品が売れた時)

 委託販売においては、原則として受託者が販売したときに売上を計上する「販売基準」によって収益を計上します。つまり、商品を受託者に積送した時点ではなく、受託者が委託品を顧客に販売した日が収益計上時期とされます。(継続適用を条件に「仕切精算書到達日基準」も認められます)

委託販売売掛金     10,000 / 委託販売売上高 10,000
(本件では消費税を考慮した計算をしておりません)
(売上計上の度に積送品を売上原価に振替する都度法の処理は行わず、期末で一括処理します)
(この売掛金は受託者では預り金となります)





この後受託者から販売手数料が差し引かれて入金されることになるかと考えます。

現預金     / 売掛金 10,000
委託販売手数料 /

③年末の在庫分の仕訳

(期末)積送品100,000円 / 売上原価 100,000
(在庫分の全作品の制作費用を計算する必要がありますが、暫定的に10万円としています)

ハンドメイド品の制作販売の処理を簡潔に行うすれば(期中の各科目の合計額で表現)
当初制作費10万円の品物があり、期中に20万円で委託販売して、新たに5万円制作費をかけて追加納品して、この間に委託手数料を5万円支払い、期末に制作費10万円の品物が在庫として受託者が保管しているとして委託販売利益は10万円となります。売上20万円に対して費用が10万円掛かっている計算です。期首の在庫は販売時に費用となりますが(売上原価/積送品)、期末の在庫は費用となりません(積送品/売上原価)。販売利益の10万円を現預金から事業主に返済して消却することができます。

(期首)積送品 /
売上原価(制作費用:仕入材料費等)  /
                   / 委託販売売上
委託販売手数料            /
                   / (期末)積送品
委託販売利益             /
事業主貸               / 現預金

 特殊販売の仕訳は複雑ですが、原則である商品勘定については期首の受け入れ、期中の売上及び仕入原価、期末の決算棚卸の処理に注意する必要があります。なかなか理解が難しいと思いますが正確に行いましょう。

詳しくありがとうございます。

制作費についてですが、
数年前から持っており、尚プライベートで購入した材料になり、領収もありませんので、
仕入れ材料費=0円となると思いますが、その場合はどうすればいいのでしょうか?


また、③についてですが
私の知識が浅く、表記が分かりずらく・・・
お手数をおかけしてしまいますが、例表記をお願いできればと思います。。。

 委託販売であっても適正な売上原価を算出するため、棚卸資産を確認する必要がありますが、制作のための経費が0円とすると商品の単価(原価)が0円となり、結果的に仕入金額は0円ということになってしまいます。
 仕入金額が発生しない場合は、棚卸資産としての計上は必要ありません。
 ただしハンドメイドの品物の管理上、何個制作して納品して、何個販売して、何個が在庫として残っているかについては確認する必要はあるかと考えます。

ご相談内容について追加のご相談での修正をさせて頂きます。ご検討をお願いいたします。
 
①開業時の仕訳記入 (お店て展示販売中のものが10万分ある時)

 仕訳の必要はありません
(期首)積送品 0円 / 事業主貸 0円となるため

(「お店て展示販売中のものが10万分」
→「展示のものの販売価格が10万円」で制作費はではないと理解します)

②年内に作品が売れた時の仕訳(例えば1万円の作品が売れた時)
 
売掛金     10,000 / 売上高  10,000
(本件では消費税を考慮した計算をしておりません)
(この売掛金は受託者では預り金となります)

この後に受託者から販売手数料が差し引かれて入金されることになるかと考えます。

現預金       / 売掛金  10,000
委託販売手数料 /

③年末の在庫分の仕訳
 
 仕訳の必要はありません
(期末)積送品0円 / 売上原価 0となるため
(在庫分の全作品の制作費用を0円としています)

 ご相談のハンドメイド品の制作販売の処理を簡潔に行うすれば、当初制作費が掛かっていないとする品物があり、これを期中に委託販売して、新たに制作費の掛かっていないとする品物を追加納品して、この間に委託手数料を支払い、期末に品物が在庫として受託者が保管している場合の委託販売利益は、売上に対して手数料のみ費用が掛かっている計算となります。

                 / 委託販売売上
販売手数料            /
販売利益             /

 特殊販売の仕訳は複雑ですが、商品勘定の必要がなければ期首の受け入れ、期末の決算棚卸の処理による売上原価に拘る必要はなく、単純に収支計算のみで大丈夫と考えます。
ハンドメイド品で材料が無償で提供された場合などは、このケースに該当します。

収支計算のみで大丈夫とのことで安心しました!
売上時・入金時の仕訳入力、
また、作品の制作数など確認用に棚卸しもしていたので、大丈夫そうです!!

ありがとうございました!

本投稿は、2022年09月16日 16時16分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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