客先都合によるキャンセル料請求の消費税
お世話になっております。
客先よりあるシステムの切替作業の注文を受けましたが、客先の都合でドタキャンとなりました。すでに弊社は保守を行う弊社子会社へ作業を依頼済みで、さらに子会社では外部会社に派遣を確保しており、この外部会社からキャンセル料が請求される予定です。
質問は、弊社から客先へは、外部会社キャンセル料の他に、弊社で準備にかかった費用(手間賃)も請求する予定ですが、消費税は不課税でしょうか?
なお、キャンセルが無かったら本来はあったであろう利益(逸失利益)は、お客さんとのお付き合いもありますので今回は請求しません。弊社で準備にかかった費用とは、実際に何かを購入したもの等はなく、計画書を作成したり、子会社との打合せにかかった 人件費のようなものです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
消費税の課税対象となるキャンセル料は、解約に伴う事務手数料が対象になります。
文面だけではこれに該当するか否かは判断できませんので、貴社においてご判断いただくしかありません。
国税庁タックスアンサーをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6253.htm

ご質問者様、こんにちは。税理士の橋本健輔(ハシモトケンスケ)と申します。ご質問の件、ご回答させていただきます。
当該の客先への請求金額は、以下の二つに区分して考えるべきでしょう。
①外部会社からのキャンセル料
これは、本来的に客先の負担となるべき費用であり、立替金の性質が強いものと考えられます。実務上の処理は以下の2つのパターンが考えられます。
・支払いを立替金(不課税)とし、客先には立替金(不課税)として請求する
・支払いを外注費(課税)とし、客先にはキャンセル手数料(課税)として請求する
ここでのポイントは不課税でも課税でもどちらでもよいのですが、最終的に相殺される、というところです。
②準備にかかった費用
一方こちらは、キャンセル料という性格は薄いように思います。どちらかというと、すでに役務を提供が完了している部分の対価と考えるのが妥当であると考えられます。したがって、実務上は通常の売上(課税)として処理することとなると考えられます。
ご参考になれば幸いでございます。
回答ありがとうございます。橋本先生の②についてですが、もともと客先から注文頂いた”作業費”(修理や設置作業と考えてください)という目的を実際に果たせてないですが、売上として問題ないという事ですね。その場合、客先に対して発行する請求書は①不課税②課税と明細を区分して記載すれば宜しいでしょうか?

ご質問者 様
>橋本先生の②についてですが、もともと客先から注文頂いた”作業費”(修理や設置作業と考えてください)という目的を実際に果たせてないですが、売上として問題ないという事ですね。
→はい、キャンセルになったわけですので、修理や設置などが完璧に行われていなくても不思議ではありません。そういった場合でも一部サービスの提供(例えば出張訪問した、打ち合わせしたなど)の対価と考えられ、売り上げとして問題ないでしょう。
>その場合、客先に対して発行する請求書は①不課税②課税と明細を区分して記載すれば宜しいでしょうか?
そうですね。立替金パターンの処理を取るのでしたらそうなります。
ご参考になれば幸いでございます。
本投稿は、2021年08月06日 18時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。