増資後にかかる税金について
資本金1000万円の中小企業ですが、大手会社と資本提携することになり、第三者割当で1500万円増資することになりました。 現在は額面5万円、株数200株で社長が全て持っています。 増資の1500万円の株数については、相手と話し合って持ち株比率を20%未満にしたいので、30株、額面50万円です。 そうすると、増資後は資本金2500万円、株数230株となり、1株の評価額が約10万円(108,696円)になります。
社長は200株持っているので、増資後、株評価が上がった分(約1080万円)に対して、税金を払う義務があるのでしょうか? 税金がかかるとすれば、何%でしょうか?
また、増資の半分を資本準備金にして資本金を少なくするとか、他にいい方法があれば教えてください。
税理士の回答

純資産(資産ー負債)を社長の株数で除して、一株当たりの純資産(時価)が算定されます。増資により、社長の時価が上がった分について、贈与税の対象となります。
したがって、時価で増資を行い、社長の増資も行い持ち株割合を過半数以上にする方法もあります。

贈与税の対象になるのは租税回避の事案だけであり、今回の場合のように第三者からの出資であり、他に忖度された事情も無く、ということであれば、贈与税は課されないのかもしれません。相続税法9条、通達9-2の適用をけんとうすることになるのですが、第三者からの増資において、租税回避的な側面が無ければ良いとも思えます。ただ、贈与であり、贈与税率は高率であり税理士の中での見解も判れる論点ではありますね。ここは、顧問税理士の方に整理、ご意見を伺うのが宜しいのかと存じます。
(株式又は出資の価額が増加した場合)
9-2 同族会社(法人税法(昭和40年法律第34号)第2条第10号に規定する同族会社をいう。以下同じ。)の株式又は出資の価額が、例えば、次に掲げる場合に該当して増加したときにおいては、その株主又は社員が当該株式又は出資の価額のうち増加した部分に相当する金額を、それぞれ次に掲げる者から贈与によって取得したものとして取り扱うものとする。この場合における贈与による財産の取得の時期は、財産の提供があった時、債務の免除があった時又は財産の譲渡があった時によるものとする。(昭57直資7-177改正、平15課資2-1改正)
(1) 会社に対し無償で財産の提供があった場合 当該財産を提供した者
(2) 時価より著しく低い価額で現物出資があった場合 当該現物出資をした者
(3) 対価を受けないで会社の債務の免除、引受け又は弁済があった場合 当該債務の免除、引受け又は弁済をした者
(4) 会社に対し時価より著しく低い価額の対価で財産の譲渡をした場合 当該財産の譲渡をした者

澤田憲幸
資本提携を目的とする大手会社からの第三者割当増資でれば、贈与税は原則的に課されません。大手会社との交渉でその出資価額になったはずです。純然たる第三者との取引であれば、その価額が時価として税務上も是認されると考えられます。念のため顧問税理士にもご確認ください。
ご回答ありがとうございます。 質問の際に欠けていましたが、今回増資する際の株価は純資産方法でなく、DCF法で算出した数値で1株50万円となっています。
顧問弁護士の見解ですと(最初にご回答いただきました先生と同じ見解)、税法上の”時価”は決算上の資産から算出したもので(その場合は1株10万円程度)、時価との差額分は、個人資産が増えるものとなり贈与税の対象となるといわれました。
お手数をおかけしますしますが、ご教授お願いいたします。

見解が割れる問題で、100%安全策であれば、贈与税の対象と看做すのが安全です。ただ、第三者からの増資の場合、実際の取り扱いはそれぞれかと存じます。実際の増資される法人で、投資先でどのように対応されているか実例をお聞きするのも一案です。
これは、顧問税理士の方が責任をもって判断する事項かと存じます。
本投稿は、2018年05月10日 10時23分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。