マネキンの資産計上について
経理部門に知識がないので質問させてください。
私はアパレル業界に勤務しておりますが、マネキンを購入したい場合、大手のマネキンメーカーはほとんどレンタルでの取扱いが多いです。
マネキンの大手納入先の百貨店の社員に話を聞いたところ、マネキンは資産計上しなければいけないから、百貨店からしても買うよりレンタルの方が都合が良いとのこと。
例えば、購入すれば一体30万で、レンタルならば1か月5万円。素人考えからすると半年で元がとれてしまうため購入の方が良いような気がしますが、実際は違うのでしょうか?
詳しい先生方、ご教授いただければ幸いです。
税理士の回答
商品展示用のマネキンは消耗品費で仕訳します。
1体10万円以上のマネキンは工具器具備品として資産計上して減価償却します。
しかし、青色申告者は、中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例、があります!
「抜粋・参考」
[平成30年4月1日現在法令等]
1 特例の概要
中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産を平成18年4月1日から平成32年(2020年)3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。
上場している大手百貨店等の大手企業は、固定資産を増やすことで総資産利益率(ROA)等の財務指標の悪化の防止や季節に応じた商品の入れ替えに合わせてマネキンも入れ替えるため、都度購入するよりもレンタルの方が都合が良いことが考えられます。
また、中小企業者向けの税制優遇もありませんので。
経営と所有(株主)が分離していない多くの中小企業ではご記載のように購入した方が得であると考える場合もありますし、資金繰りの平準化のためにあえてレンタルとする場合もあると思います。
販売方針や資金計画、税負担等を総合的に勘案して自社に一番適した調達のしかたをされるのがよろしいかと思います。
先生方、ご回答ありがとうございます。
前田先生に質問です。確かに百貨店は入れ替えが多いためレンタルの方が都合がよいのですね。
百貨店の話では、資産計上したくないから、買取よりレンタルを好むという話でしたがそれはどのような理由からでしょうか?
資産計上すると、税金の面でどのような変化がありますか?
お分かりになりましたら、ご教授いただければ幸いです。
先にも記載いたしましたが、上場している大企業等のは総資産利益率(ROA)等の財務指標を良くするために資産の増加を抑制する傾向があります。これは株主等の投資家に向けたものです。資産を極力持たないことで経営の機動力を高める目的もあると思います。
また、中小企業には義務付けられていない資産除去債務等の将来債務を会計上、計上しなければならないということもありますし、莫大な資産を台帳で管理しなければなりません。
こうした直接・間接なコスト負担よりも、レンタルにした方がコストパフォーマンスが良いという判断からだと思います。
資産として取得した場合、中小企業者等であれば30万円未満のものは事業年度中300万円までは、事業供用日の属する事業年度の損金とすることができますが、大手百貨店等の上場企業にはこのような特例はありませんし、償却資産税の負担も増えることになります。
本投稿は、2018年09月04日 18時00分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。